教育福島0103号(1985年(S60)08月)-041page

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長期研修はできるのかな?

 

教員の研修とは……

 

わかりやすい教育法令

 

教員の研修

 

一 教職の特殊性と研修

 

教員の研修については、教育公務員特例法(以下「教特法」)の一九条と二〇条に次のような特例が定められています。

1 教育公務員は、その職務を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならないこと。

2 任命権者は、研修を奨励するための方途を講じ、その実施に努めなければならないこと。

3 教員(校長・事務職員及び栄養職員等は除く)は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて勤務場所を離れて研修を行うことができること。

4 教育公務員は、任命権者の定めるところにより、現職のままで長期研修を受けることができること。

これらの規定は、教育公務員の職責が「教育を通じて国民全体に奉仕する」(教特法一条)という点に一般公務員と比べて特殊性を有するところがら、一般公務員よりも研修の機会が拡大された特例規定であると解することができます。(地方公務員法三九条参照)

 

二 研修の充実

 

教員の研修は、教育を通じて一人一人の児童生徒の人間としての成長、発達を促すことを究極の目的として教員が行う活動であり、それは教員の本務ともいうことができます。

文部省は、昭和五七年五月に「教員に対する豊かな人間性、深い教育的愛情、教育者としての使命感、優れた指導力などの要請が高まっている」との現状認識のもとに、教員の研修に関する通知を出しました。その中で、研修の充実を図るための配意事項として次の六点をあげています。

1)研修の体系的な整備充実 2)校内研修の改善充実 3)新任教員の研修4)中堅教員の研修 5)管理職の研修6)研修指導者の確保

このうち、教員研修の基本をなすともいえる校内研修については、「各学校においては、教員が意欲をもって研修に努めるとともに、研修活動が日常の教育活動と結びついて行われるよう校内研修を重視し……」、次のような配意のもとに研修の改善・充実に努める必要があるとしています。

1)学校においては研修体制の整備を図り、定例的に研修の機会を設定する等計画的、継続的に校内研修を行うこと 2)校長、教頭、主任等の先輩教員が校内で積極的な助言指導を行うとともに、各教員が相互に啓発し合うことが大切であること 3)研究主題の設定実施方法等について、教員の要望を十分聞くなど参加者が意欲をもって研修が行えるよう工夫すること。

 

三 研修の服務上の取扱い

 

教員が研修に参加する場合の服務上の取扱いについては、次の三つの場合に分類することができます。

1 勤務そのものとして行う場合

これは、研修の内容が職務と同等であると本属長が判断した場合で研修命令により研修を行うことになります。その際、勤務場所を離れて行う場合は、公務上の出張として扱われることになります。

2 職専免として行う場合

教員については、教特法二〇条二項及び「職務に専念する義務の特例に関する条例」二条一項(県費負担教職員については各市町村の条例)により、本属長の承認があれば、自発的な研修や当局が任意参加をたてまえとする研修に参加する場合、職専免による研修を行うことができます。また、夏季・冬季等の学校の長期休業期間中に、いわゆる自宅研修というかたちでこの制度が活用される場合もあります。

3 勤務時間外あるいは年次有給休暇を利用する場合

 

質疑応答

 

問 本県では、教員の長期研修はどのような場合に行うことができますか。

答 教特法二〇条三項では、任命権者の定めるところにより現職のままで、長期にわたる研修を受けることができることとなっています。

本県でも、この規定を受けて「福島県教育職員の長期研修に関する規則」が制定されています。具体的には、現職の教員が上越教育大学大学院等に派遣されています。また、本年度からは、新設された福島大学大学院教育学研究科(修士課程)に六名が長期研修員として二年間派遣されるようになりました。

 

 

 


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