教育福島0105号(1985年(S60)10月)-019page

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特集2

 

ふれあいをもとめて

−交流教育の推進−

 

はじめに

 

心身に障害を持つ子供たちが、その障害に基づく種々の困難を克服し、積極的に社会に参加していくためには、一人一人の障害の状態に応じた教育を充実させるとともに、一般の人たち、とりわけ小学校、中学校等において、心身障害児に対する理解と認識を深める教育を推進することが、人間性豊かな児童生徒を育成する上でも大切なことである。

心身障害児と障害を持たない子供たちが学校教育の一環として、活動を共にすることを交流教育というが、学校の教育活動の中で生活体験を共にする交流教育は、社会の一員として、お互いの人格を尊重し、お互いに助け合い協力しあって共に生きていくという人間性豊かな思いやりのある児童生徒を育成する上で大切であり、このことは、学校教育全体の中で解決しなければならない課題である。 

県教育委員会でも、心身障害児と障害をもたない子供たちとの交流教育を養護教育の指導の重点の一つに掲げ、昭和五十四年度より、文部省指定の「心身障害児理解推進校」、 県指定の「養護教育交流推進校」等を中心に交流教育の推進に努め多くの成果を上げてきたところである。

 

県教育委員会では本年度交流教育指導の重点として交流教育の推進と定着を図るために次の四点を掲げている。

1、交流教育の趣旨並びに、障害児に対する正しい理解を深め、望ましい協力体制のもとに推進を図る。

2、児童生徒に交流教育の趣旨の徹底を図るとともに、交流の方法を工夫し、障害児、健常児の双方に有意義な教育活動として、学校教育計画への定着に努める。

3、意図的、計画的な交流活動が契機となって、日常的な交流活動が実践され、障害児に対する理解を深めるなど発展的な指導に努める。

4、交流活動に対する地域社会の理解と協力を広め、障害児に対する正しい理解を地域社会に拡大することに努める。

 

各学校で交流教育を実施するに当たっては、前記のことをふまえ、学校の教育活動の一環として実施することが望まれる。

心身障害児との交流については、指定を受けた学校のみならず、各学校において様々な場面で、また、多様な形態で行われることが望まれるところである。

 

今回は、昭和五十八年度から二か年間文部省の「心身障害児理解推進校」の指定を受け「心身障害児に対する正しい理解と認識を深めるための指導の在り方」について、研究に取り組んできた二校の研究実践の成果を招介し、交流教育を推進していく上での参考に供したい。

 

お祭り…入田付小学校と喜多方養護学校の子どもたち

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