教育福島0105号(1985年(S60)10月)-020page

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心身障害児理解推進校

−実践の記録−

喜多方市立入田付小学校

 

一、交流教育への取り組み

 

本校は、文部省より昭和五十八年度五十九年度にわたって、「心身障害児理解推進校」の指定を受け、喜多方養護学校を協力校として交流を推めてきた。

研究テーマは「心身障害児に対する正しい理解と認識を深めさせるための指導は、どうあればよいか。(精神薄弱児との交流活動)」 を設定し、交流教育のねらいである「経験を広め、社会性を養い、好ましい人間関係を育てる」ために、なにを、どのように展開していくべきか、全校的な組織のもとにその実践に取り組んできた。

(一) 交流教育の教育課程への位置づけ

本校教育目標の一つに「美しい心をもち、互いに協力する子ども」をかかげている。その具現のために交流教育を通して、思いやりのある愛情豊かな子どもの育成をめざして心身障害児の理解と認識を深める実践に取り組んだ。

1)体験的な道すじとしては、学校行事を通した交流、児童会、学級個人、クラブ活動等による交流とした。

2)知的な道すじとしては、道徳指導や学級指導を通して心身障害児への理解と認識を深めた。

(二)校内指導体制及び協力校との連携

(1)研究推進の方針

1)全職員の障害児教育に対する共通理解を図り、一人一人を大切にする人間尊重の教育観の確立。

2)交流の基盤となる人間性豊かな思いやりのある心の育成を図るため、道徳などの授業研究の推進。

3)栽培交流を交流活動の柱としてその他、行事、水泳など可能な限り創意ある交流の実施。

4)個人の交流を深めていくため、学級ごとの部分交流を中心とした研究の推進。

5)教師間の積極的な交流と相互理解、協力態勢の促進。

6)保護者及び地域社会への啓発。

(2)研究の体制(表1)

(3)協力校との係わり

1)両校の研究体制と交流計画の連絡調整のため、窓口を決め交流教育を推進した。

2)毎月定例の両校協議会をもち、委員でない教師もできるだけ参加するようにした。

3)両校の相互理解のために、情報交換、相互訪問などを行った。

4)両校の学校行事に合わせて、グループ交流一部分交流)を自由な形で行った。

5)一年間、同じグループで交流をすすめ、理解を深めた。

6)交流のための学級集団づくりに努めた。

7)交流活動における危険防止に留意し、活動中は児童の自発的な活動を尊重し、教師は、観察記録をとるように努めた。

 

二、交流教育の実際

 

(一)交流教育のねらい

養護学校との交流活動を通して、人間性豊かな「思いやり」のある児童の育成を図ることにした。

1)障害児についての理解を深め、ともに向上しようとする態度を育てる。

・障害児と触れ合うことによって、自分の生活を見直し、よりよいものにしていこうとする意欲をもつ。

2) 健全な人生観の形成をうながす。

・いろいろな人たちが励まし合い、助け合って人間らしく生きようとしていることを知る。

3) 福祉の心の育成をうながす。

・交流の体験が連帯感を育て、この社会を自分たち共同のものどして大切にしょうとする心を養う。

(二)交流教育推進の概要(表2)

(三)交流活動の内容と実践

(昭和五十九年度より)

(1)交流内容−(全体交流)−

1)「さつまいもの栽培」を交流の柱として位置づけた。しかし、栽培そのものを交流のねらいとせず「さつまいも栽培」の機会を利用し一緒に遊びの中で交流を深めて行くことにねらいをおいた。「遊び」を交流の中

 

表1 研究の組織

表1 研究の組織

 

 

 


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