教育福島0105号(1985年(S60)10月)-033page
昭和61年度
公立高等学校入学者選抜実施要綱が決定
“人間性を重視し、蘭科ある学校教育を”
福島県教育委員会
去る九月五日、定例教育委員会は、昭和六十一年度福島県公立高等学校入学者選抜実施要綱を決定し、委員会終了後、佐藤昌志県教育長が記者会見しその内容について発表しました。
席上、佐藤県教育長は、今回の入学者選抜実施要綱の改善のめざすところについて次のように述べました。
「高校入試のあり方については、数年来、県民から改善の声があがっており県教委としても、推薦入学制度や面接の導入、職業学科での一括募集等を実施し、さらにその拡大を図ってまいりました。しかしながら高校入試は中学校教育の健全な展開のうえに成り立つものであり、偏差値にふりまわされているといわれている入試中心の教育では、その抜本的改善は困難です。それらの点を踏まえた上で、人間性を重んじ、個性豊かな子どもたちを育てる点から調和ある中学教育を目指した高校入試のあり方の改善を図ったものです。
また、この入試のあり方については、衆知を集めて検討することが大切であり、本年度も、県公立高等学校入学者選抜対策会議(委員長・大槻進福島東高校長)においても十分に検討していただき、過日、報告書をいただいたところであり、その報告内容を十分にくみ入れて教育委員会において決定されたものです」との談話がありました。
この昭和六十一年度高校入試の改善の主要な点は次のようなところです。
(1)調査書の評価方式の改善
−−中学校生活全体を評価した調査書を重視する。
(2)学力検査の配点の弾力化
−−問題の谷間ごとの配点を各高校の実態に応じて弾力的に配点することができる。 (学校配点)
−−理数科のある高校においては数学と理科の配点を弾力的に配点することができる。 (傾斜配点)
(3)推薦入学制度の拡大
−−農、工、商、水産及び家庭に関する学科で実施していたものを普通科、理数科の学校でも推薦入学が実施できる。
(4)定時制を志願する十八歳以上の受検生には学力検査を免除する。
以上の点を踏まえて昭和六十一年度の公立高等学校の入学者選抜実施要綱が決定されましたが、その基本方針、改訂部分等については、次のとおりです。
一 基本方針
〈一般選抜〉
入学者の選抜は、中学校長より提出された調査書、選抜のための学力検査の成績等を資料として、各高等学校、‘学科等の特色に配慮しつつ、その教育を受けるに足る能力・適性等を総合的に判定して行うこととする。
1)中学校においては、調査書を厳正、公平に作成する。
2)高等学校においては、調査書を十分に尊重する。
3)学力検査問題の出題は、中学校学習指導要領に基づき適正なものとする。
4)学力検査を実施する教科は、従前どおり、国語、社会、数学、理科、外国語(英語)の五教科とする。
〈推薦選抜〉
入学者の選抜は、中学校長より提出された調査書、推薦書及び選抜のための面接を資料として、各高等学校、学科等の特色に配慮しつつ、その教育を受けるに足る能力・適性等を総合的に判定して行うこととする。
二 調査書の記載方法等の主な改訂点
(表1を参照)
三 その他の改訂点
(1)学習成績一覧表の記入について
この一覧表の欄で、当該高等学校志願者及び推薦入学内定者の番号を○で囲み、生徒氏名を記入し、推薦入学内定者については「推薦入学内定」の欄に○印をつけることの他新