教育福島0105号(1985年(S60)10月)-032page
での活動の反省や気がついたことから、項目を新しく設けるなど、交流会計画書の改善を図った。
2)計画が立案された段階で、両校教師が協議し、養護学校の児童生徒に適した計画内容とした。
3)養護学校の児童生徒の心理的影響を配慮し、迎え方を生徒交流委員会が中心となって創意工夫し、実施するようにした。
四、保護者、地域への啓発
交流教育推進にあたり、家庭や地域への啓発のため、本校では、次の事項を実践した。
1)PTA総会、学年PTAの機会に学校長から本研究の趣旨を説明した。
2)PTA広報誌「つつじ」を通して啓発を行った。
3)「大石邦子氏講演会」には、本校PTA会員を含め、郡内各校PTA会員約五百名が参加。この講演を機に地域の人々の心身障害児に対する理解が深まり、その後の推進に大きく貢献した。
4)PTA教養委員会による富岡養護学校見学、PTA役員と養護学校職員との懇談会。 (その後、ボランティア活動を申し出た保護者もあった)
5)文化体育祭における資料等の展示。
交流活動のスナップ写真、交流会や講演会の感想文、意識調査の集計結果などを展示。自分の子供の心の成長に驚く親もあった。
五、研究の成果
生徒の活動から
一年次は、障害児との交流を中心として、実践活動に取り組んできたが、確かに生徒の意識に変容が見られ、回を重ねるごとに自主性が高まってきた。
二年次は、さらに自覚を促し、生徒自らの手で運営できるよう、交流委員会の組織を生徒会本部役員のみでなく班別交流の際の班長も加えるように改めたが、各自、計画立案などにおいて中心的立場にたって活躍するようになった。
六、まとめと今後の課題
二年有余の交流教育を通して、生徒たちの心に清純な風が吹き、豊かな生きがいに胸ふくらませた姿を私たちは確かにこの眼で見、肌で感じた。それは健常児ばかりの本校では、ともすれば見失いがちな教育の原点−教育は生徒個々に成立するものであること−を改めて認識させられたともいえる。
私たち教師は、生徒たちが味わった貴重な体験が将来の人生の糧となるよう、今後も両校の教育課程の中で、可能な限り交流教育を継続していきたい。
表3 赤トンボ交流会の指導