教育福島0106号(1985年(S60)11月)-012page
十二、(財)福島県文化振興基金
当基金は、県民による自由で創造的な特色ある文化活動を推進するため、昭和五十四年に設立された。
事業運営の原資となる基本財産は、昭和六十年九月末現在五億六千八百万円に達しており、ここから生ずる利息により、県内の文化団体等の事業費の一部を助成している。
現在、基金を活用し事業を行っている文化団体等は年間二百件を超え、設立以来これまでに千八百三十一件、およそ一億八千百万円の助成を行っている(表6)。
〔助成事業〕
一、成果発表事業……文化活動を自ら行い、その成果を地域の住民に広く発表する場合に助成するもので、対象となる部門は、表六の十部門である。
二、発表会等への参加事業……県代表以上の資格で県内外(海外を含む一の発表会に参加する場合に助成の対象とする。
三、文化団体への事業費……全県的な連絡調整を目的とする県組織の文化団体に対し助成する。
四、文化財の保護事業……社寺等の所有する市町村指定の文化財の保護事業に対し助成する。
また、基金では県内文化活動の進展に伴い、昭和六十一年度より制度の一部を改正し、助成率・助成金の適用方法.助成の回数等について見直すとともに、新たに、全県的な講演会等の開催事業も助成の対象とすることにした。
なお、助成事業は一年を三期に分け申請書の受付けを行っている。
〔顕彰事業〕
地域の文化活動に関し優れた成果を修め、本県文化の普及・向上に貢献した個人及び文化団体を表彰するもので、設立以来これまでに三十四個人ならびに十五団体を表彰している。
十三、福島県文化センター
県文化センターは文化会館と歴史資料館の二館からなる複合施設であり、ともに財団法人福島県文化センターが管理運営を行っている。
当文化センターは本年九月で開館十六年目を迎えている。この間、県民の多種多様な文化的欲求に応えられるよう機能の整備や施設・設備の充実をはかりながら、一人でも多くの県民に、より快適に利用してもらえるようにその運営にあたってきているところであります。
六十年度の県文化センター事業は表7のとおりであり、県民が均しく舞台芸術を鑑賞し、学習事業に参加できるように県内各地で事業を展開中である。
舞台芸術鑑賞事業は、中央の優れた芸術を気軽に、しかも低廉な料金で楽しんでもらうもので、オーケストラ公演と幼児童向けの観劇教室を実施し、その熱気あふれる生の舞台は大好評を得ている。
そのほかの舞台芸術として、県民参加によるバレエ、吹奏楽、三曲演奏の各種公演を行った。各々が初公演以来約十年目をむかえる団体に成長し、今後とも一層の隆盛が期待されている。
さらに、県文化センターの学習事業としての各種講座をはじめ、歴史、郷土関係の展示・公開事業を用意し、いわゆるカルチャーセンターとしての事業の促進も行っている。
表6 福島県文化振興基金
54〜60年度(1)・2)期)の助成事業実績(単位・千円)
文化講座(郷土史講座)