教育福島0106号(1985年(S60)11月)-043page

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工業数理では、特に科目の特色に合せた評価の観点が必要であることから、具体的な評価方法について表2に示した。評価活動を系統的に行うためには、評価の計画を立て、それを次のようなことに配慮して具現化するように努めなければならない。

ア、評価の指針

作業の評価、到達度の評価、総括試験による評価

イ、評価方法の具現化

評価活動、基本作業の指導と評価の関連、評価計画の作成、評価結果の整理と記録

2)、いろいろな指導法の展開と評価

 

1情報処理機器を活用した指導と評価

〔マイコン活用による個別指導を重視した授業と形成的評価〕

 

目的意識等多様化した状況の中で、「楽しい、やる気が出る」という喜びを与え、個々の伸長を図るためには、画一的授業では対処できない。ここではマイコンを活用し個別指導を重視した授業について研究実践を行った。

(授業モデル図省略)

マイコンを活用する場合には、利用による授業展開法・有効利用法と個々の能力・進度に応じた展開等について事前に充分検討すると同時に、マイコン利用に適した教材かどうかについての検討が必要である。指導にあたっては、多様化した生徒にも対応できる事象の提示と基礎的な内容を十分取り入れ、マイコン活用になじめない生徒にも自信を持たせるなどの配慮が必要となる。 (授業実践例図3)

学習形態から見ると、一斉学習と小集団学習やプログラム学習に分けられるが、基礎的能力の養成・定着化、生徒の潜在的能力の発見・伸長をめざすためには、個別的な目標達成の状況を的確に把握する必要がある。したがってはじめに到達目標を設定するとともに、個別指導や形成的評価をするための具体的目標の設定が必要である。そしてどのような学習形態が望ましいかを、十分検討しなければならない。これらをもとに学習プログラムを作成し、授業を展開して評価を行う。評価は作業の評価、個々の学力の伸長度の評価、到達度の評価の三つの基本要素で構成する。到達度試験においては、形成的評価方法や評価の基準・内容を事前に十分検討準備しておく必要がある。

個別指導は、個々の到達度に応じた学習を主体とし、潜在的能力の伸長や、つまずきの発見を目標とすることから、マイコンを活用することによって、個別学習を効果的に行い、より学習に対する興味・関心までも向上させることをめざしている。したがって今後は、マイコンを効果的に活用するための指導計画や開発ソフトウェア等と情報機器をシステム化する教育工学的活用の研究も重要となる。 (図4)

 

2視聴労機器を活用した指導と評価

 

指導上の留意点は1)数学を道具とするための基本作業(式の扱い、数値計算、作図)などができるようにする。2)工業事象に潜む数理の内容を発見し数理的問題解決ができるようにする。

 

図2「工業数理」の学習パターン

表2 「工業数理」の具体的評価計画表

 

表2 「工業数理」の具体的評価計画表

表2 「工業数理」の具体的評価計画表

 

 

 


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