教育福島0106号(1985年(S60)11月)-042page

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研究実践

レポート

 

高教研工業部会のプロジェクト研究

「工業数理」の指導と評価

工業数理研究委員会

 

−解説−

高教研工業部会は、新科目「工業数理」の指導方法と評価について「工業数理研究委員会」を設置し、五十九年には「工業数理指導資料編」、六十年には「工業数理の指導と評価」を編集・刊行し、工業数理の総合的研究実践の手引書として高い評価を得ている。

 

一、はじめに

 

新学習指導要領に新設された、科目「工業数理」の研究実践が各学校の工業数理研究委員会を中心に行われてきたが、新しい発想による工業の基礎教育という観点のため、教材化や指導法・評価法の確立が困難となっていた。

このため工業部会では工業数理教育のねらいを達成すべく、昭和五十八年十一月「工業数理教材研究委員会」を設置した。そして工業数理の教材化を主題とした研究に取り組み、五十九年三月第一集として「工業数理指導資料編」を刊行した。昭和五十九年度はこれらの教材研究を基に、その指導法と指導に伴う評価法の研究を行うこととした。この工業部会のプロジェクト研究が、昭和五十九年度福島県教育研究グループに指定されたことや、前年度末の人事異動の影響により委員構成を再検討する必要が生じたのを機会に「工業数理研究委員会」と改称し、研究テーマも「工業数理の指導と評価」として、工業数理教育のP(計画)D(指導)S(評価)の総合的な研究をめざすこととした。

七月十八日の発会式をはじめとしてその後毎月一回程度の研究委員会を開催して、六十年三月、第二集「工業数理の指導と評価」の編集を終了した。

これらは工業部会を通して各学校に配布され、各学校での研究実践の手引として活用されている。

 

二、研究組織と構成

 

図1 研究組織と構成

三、研究経過

 

三、研究経過

 

表1 委員会研究経過

表1 委員会研究経過

 

四、研究内容

 

(一) 研究主題「工業数理の指導と評価」を次のような内容で編集した。

 

1) 基本作業の指導と評価

1、基本作業の指導法

2、基本作業の評価法

2) いろいろな指導法の展開と評価

1、情報処理機器を活用した指導と評価

2、視聴党機器を活用した指導と評価

3、模型・工作物を活用した指導と評価

4、資料収集を活用した指導と評価

5、教示実験を活用した指導と評価

 

(二) 研究内容

1)、基本作業の指導と評価

 

1、基本作業の指導法

「工業数理」の学習パターンは、一般的に図2の通りである。

学習指導の過程において工業の事象を数理的、実際的に処理する基礎的な能力の育成をめざした授業のあり方を研究した。この教科の特色は「作業」で実習させ、作業を通して数理的問題解決法の習得をさせることにある。この章では基本作業を、式の扱い・数値計算・作図の三本柱とし、その具体的指導法として、数学を道具とする電卓等を利用した計算技術と単位系の取り扱い、作図により問題処理の分析・検証をすることについて研究した。

 

2、基本作業の評価法

評価については、指導要録の学習の記録の観点が「知識・理解」・「技能」「関心・態度」で構成されているが、

 

 

 


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