教育福島0108号(1986年(S61)01月)-007page

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心豊かに生き生きと

 

県教育委員会教育長

佐藤昌志

 

新年おめでとうございます。

 

新年おめでとうございます。

 

皆様には、さわやかな新春をお迎えのこと心よりお慶び申し上げます。

さて、年頭に当たり、本年の教育・文化の一層の充実・発展を期して、所感の一端を申し述べたいと存じます。

ご承知のように、近年における科学技術のめざましい進歩と経済の発展は、社会に大きな変化をもたらし、それにともなって生じた新たな課題等に、教育行政は適切に対応することが望まれてきております。

このような状況を踏まえ、県教育委員会としましては、昨年三月、第三次県長期総合教育計画を策定したところであり、新計画二年次に当る本年度は、二十一世紀を指向した本県教育・文化発展の基礎を築くべき年と認識し、皆様のご協力を得ながら次の重点施策の実現に向けて全力を傾注してまいりたいと考えております。

まず、生涯教育についてでありますが、人生八十年の長寿社会の到来や生活形態の変化に対応し、人々は、自己の精神的、文化的な充実を求める新たな生涯学習の機会を望んでおります。このため、いつでも、どこでも、だれもが生き生きと学習できる生涯学習データバンク・情報提供事業や県民大学中央講座等の一層の充実に努めて参りたいと考えております。

次に、学校教育についてであります。

現代社会における核家族化の進行、都市化の進展は、地域社会の連帯感の希薄化や家庭教育機能の低下をもたらし、青少年が心身ともに健全な成長をするうえでの好ましい環境が失われつつあり、とりわけいじめ等の問題行動として顕在化してきているところであります。

このような社会の状況に対応して、学校教育は人間性をより一層重視し知・徳・体の調和のとれた、豊かな心を持つ人間の育成をめざし、家庭及び地域社会に開かれた学校として相互に連携・協力し合いながら、子どもたちを育むことが求められております。

このため、新たに、生きることの意味を学びとらせる郷土教育の充実をはじめ、いじめ問題等に対応する中高連携推進地域の指定、専任教育相談員の配置、さらには、人間性を重視し、調和ある後期中等教育の推進、高等学校入学者選抜方法の改善等、児童生徒が心豊かにたくましく成長・発達できるように適切な援助・指導を行って参ります。また、「教育は人なり」といわれていることから、魅力ある人格、深い専門性を高めるための、研修内容、方法の質的向上を図って参ります。

さらに、急激に進む技術革新、国際化に対応した「学校教育におけるコンピュータ等の利用の基本計画」の策定、国際理解教育の充実、特色ある学科を有する新設高−等学校の整備促進に努めて参ります。

また、心身に障害を持つ児童生徒の教育の充実を図るため、養護教育センターの開所、高等部の新設の検討等、教育条件の一層の整備充実に努めて参ります。

次に、社会教育と文化については、生きがいに満ちた社会教育の振興、県立博物館の開館等、文化の保存、伝承、文化施設の整備充実に努めて参ります。

次に、保健体育・スポーツについては、学校保健体育、の改善、充実、健康で活力ある生活実現のための体育・スポーツの普及・振興、さらには、第五十回国民体育大会に向けての組織充実に努めて参りたいと考えます。

 

以上、本県教育・文化行政の重点施策の一端について申し上げましたが、私は、教育愛と信頼を基礎として、二十一世紀を担う子どもたちの可能性を育むため、全力を傾けて参る所存であります。

皆様におかれましても、新たな時代に呼応した活力ある福島県つくりを担う「心豊かな、たくましい人間」の育成を目指し、相協力して、それぞれの職責逐行に努力されますよう希望いたしまして、年頭のごあいさつといたします。

(仕事始めの式・教育長年頭のあいさつよりの要旨)

 

 

 


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