教育福島0108号(1986年(S61)01月)-043page
させるために、次のような指導を考えた。
1) 音声のねらい
はっきりと正しく発音・発声ができ
ること。
2) 言葉の意味理解のねらい
言葉の辞書的意味、叙述に即した意
味が把握できること。
3) 情感的表出のねらい
情景・人物の気持ちから言葉をとらえ、感情をこめて読むことができること。
さらに、情感的表出の指導としては、意味内容・情景を把握したうえでの言葉を表現することによって、より深い意味内容・情景を把握することを目的とした「表現読み」指導を核として進める。
また、一人一人の音読の能力の向上は、画一的な一斉指導ではなじめず、個別に評価し、そのつまずきを診断することが大切である(その診断の観点は、 「個人別診断票」による)。
2) 仮説
音読・朗読の学習において、文章読解の指導過程のなかで、「音読学習のねらい」を明示し、それに基づいて音読・朗読させ、「個人別診断票」によって診断し、それぞれのつまずきに応じた治療をすれば、聞き手に内容がよくわかる音読ができるであろう。
表2 音読学習のねらい