教育福島0108号(1986年(S61)01月)-046page

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をもとに、表現読みの記号付けをさせ読みの記号付けという過程は、

以上のように、情景・心情の見通し→語句への着目→情景のまとめ→表現読みの記号付けという過程は、情景をふまえて文中での言葉を表現する「表現読み」の指導のなかで、大切にしていきたいものと考える。

なお、表現読みの記号付けは、A(100〜75%達成)B(75〜50%達成)C(50%以下達成)の段階が、各々46、35、19%となった。これは、「表現読み指導計画」(表4)で示したように、記号付けの理解→短い文章での記号付け↓長い文章での記号付けという段階的指導の成果であると思う。

5) 検証授業5とその考察

(診断と治療の検証授業)

(ア)単元名「やまなし」

(イ)目標 (省略)

(ウ)指導計画 検証授業4と同じ

(エ)本時の指導

○本時のねらい・音読のねらい音読のつまずきを知り、治療の型によって、よりよい音読ができるようにする。

○指導過程(表5)

(オ)実践とその考察

本時は、児童の音読を「診断と治療」により向上させるものである。

なお、仮説で述べたように、「診断」とは、各児童の音読能力の評価であり、その観点は、「音読学習のねらい」を細分化した下位目標である。前時までの児童の音読(録音)をこの下位目標で評価した診断結果に基づいて、つまずきを、1)読みぐせ、2)発音・発声の不明瞭、3)意味理解の不充分さ、4)情感的表出の不充分さに類別する。類別したものに応じて指導を行うのが治療であり、本時では、「治療型別テキスト」を用いた後、前時の児童自ら記号付けをした音読練習プリントで音読の指導を行った。

これらの指導による児童の変容をとらえるために、抽出児童の治療前と治療後の音読診断票の結果を比べた。すると、「情感的表出の治療」は、抽出児童の変容から、単位時間内での効果が認められたが、「発音・発声の治療」は、抽出児童の変容から単位時間内の

 

表4 表現読み指導計画

表4 表現読み指導計画

 

表5 指導過程〔本時の目標〕(本時10/11)

音読のつまずきを知り、治療の型(1)はっきりと発音・発声2)読みぐせをなおす3)ことばの意味理解4)情感表出)によって、よりよい朗読ができるようにする。

展開過程

 

 

 

 


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