教育福島0108号(1986年(S61)01月)-048page

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昭和60年度公立幼稚園小・中・養護学校教職員研究論文

《特選》

自己教育力を育成するための指導法の改善

〜一人一人を意欲的に学習に取り組ませる評価の工夫〜

原町市立石神中学校教諭

小野真也

 

一 研究の趣旨

 

一 研究の趣旨

(一) 研究の動機とねらい

本校第二学年の生徒の学習活動への取り組み、内容の定着度などをみる実態調査を行ったところ、次のような問題傾向がみられた。それは、学習内容についてはある程度、目標が達成されているのが、授業への取り組みについては、理科に関する興味、関心が旺盛なわりには、自分の知識や技能に自信がもてず、質問したり、考えを発表したりすることができない。班活動では、他人に頼ってしまう状況である。

また、昭和五十九年二月に実施した教研式観点別到達度学力検査(CRT)の結果をみると、知識・理解、科学的な思考は、比較的、十分に達成(+)の生徒が多いが、観察・実験の技能や自然に対する関心・態度は、他の観点に比べると達成不十分(一)の生徒が多くなっている。 (資料1)

以上のような生徒の実態から、生徒は、観察・実験に興味、関心があるにもかかわらず、生徒一人一人が、目標を把握し、自らの考えで、課題を追求し、解決しようとする意欲に欠けている。

学校教育で、今日的課題とされている自己教育力の育成のためには、主体的に学習に取り組む意欲、態度、能力を育てる必要があると言われていることから考えても、課題に対し、自ら学びとろうとする意欲を向上させることは重要なことであると思う。

(二) 学習意欲を育てる授業の要件

指導過程(探究の過程)において達成感や成就感を体得させ、新たな学習意欲を喚起するためには、次のような点で改善をはかる必要がある。

(1) 探究の意欲を高める教材の選定や生徒にとって、魅力ある教材の開発に努める。

(2) 課題は具体的で解決の見通しのたつものとし、意欲的に探究することができるようにする。

(3) 生徒が自ら探究することができる授業を組織する。

(4) 効果的に探究する活動ができるように評価を工夫し、意欲を高めるようにする。以上の中から4)の評価の工夫を取り上げ、生徒一人一人が効果的に探究する活動ができるように評価を工夫し、指導過程に位置づければ、生徒の意欲も高まり、到達目標を達成できると考え、本主題を設定した。

(三) 評価に関する問題点とその原因

(1) 問題点

1) 教師からの一方的なものになつていて、生徒たちには積極的に受け入れられていないことが多い。

2) 生徒の意欲を喚起するような評価になっていない。

3) 総括的評価が主で、診断的評価や形成的評価が計画的になされていない。

4) 結果のみを重視しがちで、生徒のつまづきを見つけて、フィード

 

資料1生徒の実態に関する資料(S D法)

〈例〉 自由にできた5 4 3 2 1できない

1)自分の活動について  (表の数値はパーセント)

2)授業のすすめ方について

 

2)授業のすすめ方について

3)学習内容について

 

3)学習内容について

 

 

 

 


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