教育福島0109号(1986年(S61)02月)-005page
教育福島
'86 2・3月号 Vol.109
目次
−表紙絵・若松光一郎シリーズ−
提言
地域文化功労者 川又恒一
特集
昭和61年度
昭和60年度県公立学校教職員研究論文特選入賞者論文紹介(2)
会津若松市立行仁小学校教諭 目黒豊光
喜多方市立第二小学校教諭 目黒美智子
教育センターから
昭和61年度県教育センター研修計画
図書館だより
県立図書館の事業活動
美術館だより
昭和61年度県立美術館主要行事予定
告知板
新年度版「教育福島」の紹介・ほか
ふるさとの文化財
久川城跡・伊南村
博物館だより
新装すすむ県立博物館
世界の教育は、今
ユーゴスラビア・オランダ
表紙絵について
「大地の歌」 若松光一郎 作
昨年の四月から、県立美術館の収蔵品を中心に若松氏の作品を紹介してきた。一九六六年の「北国の記念碑」から八三年の「ポリフォニックな情景」まで、約二〇年間の作品である。
着彩した和紙をキャンバスに貼り込み、その上にカゼインカラーや油絵具・墨などで形象を加えるという作風は一貫するが、画面感情の中心となる色彩には黒と黄の二つの主調が窺える。黒は、赤や青を星空のようにちりばめて深々とした空間をたたえ、黄は、明るい中間色の共鳴を得て無垢な至福の世界を現前させる。
この主調は今も基本的には変らないが、最終回を飾る「大地の歌」には、それらが更に微妙な融合と調和を遂げていることを見逃せない。恐らくそれは、いわきに生まれいわきに生きる若松氏の“大地の歌”と呼び得るのではないだろうか。(キャンバス・和紙・カゼインカラー・油彩・墨、二〇〇・〇×一七七〇cm、一九八五年作、半世紀の歩み−若松光一郎展出品、作者蔵)