教育福島0109号(1986年(S61)02月)-035page
は、自分の進歩とつまずきに気付かせ、その成長の姿を客観的にとらえさせることである。評価は、結果のみに偏ることなく、過程や参加の状況等にも目を向け、生徒の学習意欲の向上を図るよう努めなければならない。
二 学習環境の整備に努める
(一) 教材、教具
教材、教具は、学習活動の充実のため、計画的に整備し、各種資料とともに、効果的に活用すること。
(二) 学習環境の整備
常日頃から、教室は生徒の生き生きとした創造活動に適するよう整備充実すること、また、学校全体も含め、作品展示の場として利用するなど学習環境を整備する。
外国語(英語)
外国語(英語)の指導は、学習指導要領に示されている目標の達成を目指し、学校や地域の実態、生徒の能力・適性等を踏まえた指導計画に基づいて学習指導を展開し、常に反省を加えながら、その改善充実を図っていくことが必要である。
一 生徒の実態について
(一) 実態の把握は、学力についてだけでなく、生徒個々の習熟度、学習のしかたの特徴や情意面についても対象にすることが重要である。
(二) 教科書の選択にあたっては、生徒の実態に即応する言語材料や内容であるとともに、学習活動の活生化こも効果的であるかどうかの視点からなされることが必要である。
二 指導法の改善について
(一) 英語教育の目標は、英語の基礎的な能力を養成するとともに国際社会の一員としての教養を培う基盤を築くことである。この意味で、英語の学習に意欲を失っている生徒に意欲を与え、意欲的な生徒を更に引き上げるような配慮が必要である。
(二) 指導にあたっては、ことば本来の働きとしての表現力を養成するために、言語活動を一層重視し、指導計画の中に明確に位置づけることが大切である。
(三) 中学校における指導内容との関連を図るとともに、指導方法についても一貫性を保ちながら中学校の指導の成果を引き継ぐように配慮することが望まれる。
(四) 視聴覚機器の活用により、生徒の学習意欲を喚起し、授業を更に活発にすることができる。各学校の実情に即応した活用方法を研究することが必要である。
(五) 学習習熟度別指導は、習熟度別学級編成によるものであろうとなかろうと、本質的には個々人の学習の成立を目指している。従って、生徒一人一人の現在における学習到達状況の的確な把握、次の到達目標(群)の設定、それを達成する道すじ等についの研究と実践が欠かせない。
(六) 指導の成果は、教師と生徒との人間的な交わり、信頼関係の上にはじめて期待できる。生徒の可能性を引き出そうとする教師の努力の中で生との人間的な共感が深まり、結びつきは一層強くなる。この基盤に立って、生徒が成就感を味わえるような授業の展開が特に望まれる。
三 教育課程の編成について
(一) 英1)・2)は、四技能の調和のとれた総合性を目指し、これ自体で完結するものであり、2)A〜2)Cへの準備ではないことを再確認したい。
(二) 英丑と併せて選択履修している科目は2)B・2)Cに偏りがちである。2)Aの選択について検討する余地がある。
家庭
高等学校の家庭科は、一般教養としての家庭科教育と職業教育としての家庭科教育との二面性を持っている。また、小・中学校での学習の基礎の上に、家庭生活の充実向上を図るに必要な能力を実践的一体験的な学習活動を通して修得させる教科である。これら教科の特質を踏まえ、次の諸点に留意して指導する必要がある。
一 効果的な学習指導を行うための指導計画の改善・工夫に努める
(一) 指導内容の精選に当たっては、小・中学校との関連を図り、基礎的・基本的事項に重点をおき、系統的・発展的に学習できるようにする。
(二) 生徒の実態に即応し実践的・体験的学習を重視した指導法を工夫する。
(三) 学習目標を明確にし、学習過程における評価を行い、各生徒の学習が適切に行われるように努める。
二 実践的・体験的学習の中核となる実験・実習の指導を一層効果的に進めるようにする。