教育福島0109号(1986年(S61)02月)-039page

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指導ではなく、将来の人生設計や望ましい生き方の確立をめざしている。これらの目標を達成するためには、高校教育全体を見通した進路指導計画を作成し、組織的な指導体制を確立して、学習指導、生徒指導、進路指導の全教育活動の中で適切に実施することが望まれる。

 

二 発達段階に応じた進路指導の充実を図る

 

自己理解、進路設計、進路の選択・決定及び卒業後の追指導に至る一連の進路指導を、中学校との関連を配慮しながら、生徒の職業的発達段階に応じた適切な発達課題を設定して、進路指導主事、クラス担任等を中心として低学年から計画的・組織的に実施することが望まれる。

 

三 進路の実態に対応する教育課程の編成に努める

 

生徒の多様化に伴い、各学校の生徒の進路希望は大きく異なっており、普通科においても就職者が半数を越える学校は多い。このような状況を的確にとらえ、生徒の職業観や勤労観を育成できるよう、適切な教育課程の編成に努める。

 

四 進路情報の整備と指導力の向上に努める

 

進路指導は生徒のもつ資質や可能性を最大限に伸長することをめざしていることから、進路情報の整備と効果的な活用を図るとともに、進路指導の専門的事項について研究と研修を深め、適切な進路指導に努める。

 

五 家庭や地域社会との連携を図る

 

生徒・父兄の進路希望や高等教育機関及び企業等の状況を把握し、より的確な進路指導を行うための、中学校・家庭・関係諸機関と連携を図る。

 

生徒指導

 

伸長を図りながら、同時に社会的な資質や行動を高めようとするものである。

 

生徒指導は、一人一人の生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、同時に社会的な資質や行動を高めようとするものである。

 

一 教師の共通理解を深め、校内指導体制の充実改善を図る

 

(一) 日常の教育活動をとおして、生徒指導についての教師の共通理解を深めるとともに、生徒の実態を的確に把握し、自校の生徒指導上の課題を明確にして、学校あげて効果的な指導活動を推進する。

(二) 生徒指導の組織が学校の教育活動の中で十分機能するよう、すべての教師が役割を果たすとともに相互に助け合って指導にあたる。

(三) 生徒指導についての研修を組織的・計画的に実施し、指導力の向上に努める。

 

二 生徒理解の深化を図り、学校生活への適応を進める

 

(一) 日常の観察と接触、更には各種調査、検査をとおして生徒理解の深化を図るとともに、教師間の連携を密にし生徒を多角的・多面的に理解するように努める。

(二) ホームルーム内に、好ましい人間関係を醸成し、ホームルーム担任を中心に相談活動を充実し、共感的理解を図る。

(三) すべての生徒が、集団生活に適応し、それぞれの能力や特性を発揮しうるよう教育相談体制の整備充実に努める。

 

三 集団生活における規律の推持向上に努める

 

(一) 基本的生活習慣の確立に努め、ルール遵守の気風を醸成し集団生活における秩序と規律の維持に努める。

(二) 生徒の自主活動を通じ、集団への所属意識や連帯感を高めるとともに自主的・自律的生活の推進を図る。

 

四 家庭及び中学校との連携を密にし、地域ぐるみの生徒指導の推進を図る

 

(一) 家庭に対しては、学校の教育目標や指導方針について理解と協力を得るとともに、家庭教育の充実を図るための啓発に努める。

(二) 中・高連携の組織や方法に改善を加え、相互の信頼関係に基づく中・高一貫の生徒指導の推進を図る。

(三) 地域の関係諸機関・諸団体との連携を密にし、地域におけるすべての学校のあらゆる生徒を対象とした指導体制の整備に努める。

(四) 地域ぐるみの補導活動や研修活動の充実を図るとともに、環境浄化活動や生徒の社会参加活動の推進にも努める。

 

 

 

 

 


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