教育福島0109号(1986年(S61)02月)-058page
博物館だより
タイムトンネルのむこうで歴史が輝き始めた
−建設進む県立博物館−
県立文化三施設の総仕上げとして、会津若松市鶴ヶ城三の丸跡に建設中の県立博物館は、既に八割を越す出来上がりをみせ、三月末の竣工をめざして急ピッチで工事が進められています。
「現代の蔵」をテーマに設計された建物は、約一万一千平方メートルの面積をもち、全国でも屈指の規模を誇るとともに、先人の遺産を確実に未来に伝えるため、資料の保存や展示に対する種々の設備が施されています。
展示室では、「歴史の変遷」を縦軸に、「文化の広がり」を横軸にとらえてストーリー化し、中央文化と東北文化の接点で醸成された福島県の文化の特色が良く理解できるよう構成されています。
福島県は、歴史の変革期に於ていつも舞台となり、我々の祖先は、頼朝と戦い、秀吉の支配を受け、そして戊辰戦争では多くの血を流しました。
我々の祖先が生きぬいた数万年に渡る歴史は、厳しい自然環境下にもめげず、絶えず後世に残そうとした生活の知恵や技、収穫の喜び、まつりや祈りなどに関する貴重な資料なくしては語れません。博物館では、これらの資料が臨場感あふれる展示になるよう工夫されています。
今秋、オープン予定
一人でも多くの青少年が歴史を学ぶ“場”として、また文化の伝承普及と生涯教育の拠点として、世代を越えて利用できる県立博物館は、春から展示工事、外構工事に取りかかり、今年秋に開館する予定です。
三月末の竣工をめざして建設が進む県立博物館(会津若松市)
導入展示(タイムトンネル)の完成予想図
総合展示室『近世』のかん制予想図