教育福島0110号(1986年(S61)04月)-036page

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いて自分で作成できる程度のプログラミング技法を身につけておくこと。

ウ、パーソナルコンピュータの各部の役割や動作原理の概略を知って取り扱いができる技能を身につけておくこと

 

工業科では、

ア、「工業基礎」「工業数理」の科目で実際にパーソナルコンピュータを用いて実習しながら学習する。

イ、ソフトウエア、ハードウェアの基礎的内容の学習ができる「情報技術1)」をどの学科でも履修させる一単位として取らずに学習内容を適宜ある科目の中で扱ったり実習として取り入れる)。

ウ、必要によってハードウェアの基礎的内容を学習する「情報技術2)」を履修させるのもよい。

2)各専門分野に関する情報関連教育として基礎教育の上に立って、更に各分野(学科)の目標に応じた発展的指導を展開することが必要である。また、専門分野に関する情報を効果的に利用するためのソフトに関する基礎的な知識技術を身につけさせる教育の必要性がある。

それには、例えば

○機械系では、メカトロニクス

○電気系では、モーターのマイコンによる制御

○電子系では、新しい通信技術

○建築系では、自動設計製図

○化学系では、自動制御

のように各学科の特性を生かした学習テーマを設定し、その学習をする中で適切な教材(題材)を取り上げて実験実習を通して体験的に学習させるのが望ましい。

 

(2) 基礎教育における指導内容

1)ハードウエア

ア、電子計算機の構成

イ、数の表現(二進、八進、十六進による数の表現法)

ウ、論理回路(IC、LSI、論理教学、基本論理回路)

エ、中央処理装置(CPU)の概要

オ、周辺装置の概要

2)ソフトウェア

ア、プログラム技法の基礎

イ、アルゴリズム(流れ図を含めて)

ウ、プログラムの作成法(記述法)

エ、フォートラン(ベーシック)言語の文法(データの読み・書き、判断、繰り返し、飛び越し、配列あたりまで)

オ、プログラム(または流れ図)によるトレース以上それぞれの項目のごく基本的な内容を指導すれば十分である。

 

(3) 指導上留意すべき事項

1)ハードウェアの指導

ア、実験実習等の実際的、体験的学習を重視し、実際に問題を解決する体験の機会をできるだけ拡充していくことを考慮して指導計画を立てること。

イ、教材は、原理、原則がはっきり誰にでも確認でき、理解し易いことを目標とし、精度やスピードはあまり問題にしなくてもよい。

ウ、最終的に目標とするシステムを想定しておき、そのシステムを完成させるのに要する発想、設計、製作、組立、検査、試運転といった一連の製作過程の一つの工程として実験実習を位置づけて指導する。

2)ソフトウェアの指導

ア、プログラム言語は、何か一つの言語(例えばフォートラン)を一貫して徹底的に指導する。

イ、問題解決の手順(アルゴリズム)を流れ図に表せない生徒はプログラムが作れない。流れ図の指導を徹底的に行う。

ウ、必要最小限の命令(文法)だけ教え、その少ない命令を用いてプログラムが作れるようにする。

工、生徒自身に苦心させ、自らの手になるプログラムを完成させるようにする。

オ、他人の記述したプログラムが読解できるようにする。

カ、適切な課題を生徒の能力に応じて設定し与えること。

 

三、本校における情報技術教育の計画と実践

 

1 基礎教育の計画と実践

 

(1) 情報技術教育計画の作成

各教科毎に基礎教育、専門分野における教育を含めて、情報技術関連の指導内容をどの科目、どの段階で指導するかを検討し、学習指導年間計画、実験実習年間指導計画を作成した。

(2) ソフトウエア学習テキストの作成プログラミング学習に使用するテキストとして「情報技術1(上)」を作成した。フォートラン77をベースにした文法が中心であるが、コンピュータ処理をするうえで必要最小限のハードウエアの知識も得られるように工夫した。

更に深く高度の技法を学べるように(下)巻を作成した。

(3) ハードウエア学習テキストの編集ハードウエアの基礎を学習するためのテキストとして「情報技術2)(上)」を作成した。上巻には基礎教育としてここまで学習させれば十分であろうと考えられる内容を盛り込んである。(下)巻ではデータ通信や制御技術

 

 

 


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