教育福島0110号(1986年(S61)04月)-042page

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一人一人が楽しく生き生きと参加する学習をめざして

 

研究実践

 

レポート

 

いわき市立平第三小学校教諭

 

吉田聡

 

−解説−

 

本論文は、六十年度教職員研究論文入選作です。レディネス、興味、関心などの実態から適切な学習課題や学習形態に工夫が見られ、一人一人の児童に目を向け、個を生かす研究論文として高い評価を得たものです。

 

一、研究の主旨

 

一昨年の研究(教育論文入選)の成果は、複式指導過程に児童の実態に応じて学習形態を位置づけ、効果的な間接指導の確立であった。しかし、学習形態と密接に関わる「課題の設定や学習ステップの構成」などの研究が不足し、授業の体質改善までにはいたらなかった。「児童自らが主体的に考え正しく判断し、実践する」ためには一人一人の持つ能力を最大限に伸長することが前提であり、ここに、学習形態の位置づけや課題設定の工夫をすることによって、低学年の児童でも学習の楽しさがわかり、確かな学力がつくのではないかと考えた。そのためには、目標分析に基づくレディネスの把握と課題設定、課題と学習形態の関連を継続的に分析、考察していく必要があると考え、次の仮説をもとに実践した。

 

二、仮説

 

児童の実態を客観的に把握し、それに基づく課題設定や「ひとり学習」、「ペア学習」、「グループ学習」、「バスガイド学習」の学習形態の設定をしていけば、児童中心の授業へと体質が改善され、一人一人に確かな力をつけることができる。

 

三、研究実践の概要

 

(一) 主体的学習と学習形態

各学習形態の決定はレディネスの程度に基づくが、学習が主体的に行なわれるようにするためには「学び方を学ぶ」ことが大切であることから、低学年の学習形態の基本として次のようにおさえた。

○ひとり学習……どんなことをしても自分の考えを創りあげる学習。

○ペア学習……自分の考えと友達の考えのちがいや共通点を見つけ、さらにょい考えを創る学習。

○グループ学習……友達の考えに自分の考えを結びつけて、さらによい考えを創ったり、助け合って仲よくすすめる学習。

○バスガイド学習……だれかが司会になってすすめ、友達の考えも認めながら自分の考えも十分に話し合う学習。(バズ十ガイド学習)

 

課題設定、学習形態位づけについての構想図

学習形態の基本「ひとり学習」

 

学習形態の基本「ひとり学習」

学習形態の基本「ひとり学習」

 

 

 


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