教育福島0110号(1986年(S61)04月)-043page

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実践の授業から

 

(1) レディネスの把握(さか上がりを到達目標として) 2年5組男子16名女子23名 計39名

A…調子よくできる。 width="577" height="222" alt="0000001j-1.gif (55740 バイト)">

 

A…調子よくできる。

B…もう少しでできそうである。

C…できない。

 

A…調子よくできる。

B…もう少しでできそうである。

C…できない。

 

A…やってみたい。

B…どちらでもよい。

C…やりたくない。

 

A、B、C……12グループ

A、A、B……1グループ……各運動のモデルとしても生かす。

 

(2)レディネスからの考察

● 既習事項の達成ということでは「うで立てとび上がり」、「前回りおり」のできない児童が4名いる。この4名については「さかさ上がりができるようになりたい」という強い意欲を持つ39番のM子を例にあげて励まし、休み時間等を利用して練習する。(レディネスを高めておく)

● 困難を示す「さかあがり」は・A…できる14名、B…13名、C…12名という状況であり、このうち、Cの12名のほとんどは、興味、関心も高いものではない。

そこで、課題は、前回の算数のときに興味、関心に重点をおき、困難を示す事項への着目がおろそかになり失敗したことを反省し、今回は、困難を示す事項のレディネスに着眼して決定する。また、鉄棒という言葉から意欲をなくす児童もいるようなので「言葉」も吟味する。

学習形態は、技術的なものも間近でとらえられるようにと考え、課題設定と同じように、困難を示す事項のレディネスに特に重点をおき、ここのレディネスがAの者、Bの者、Cの者が組めるような「異質の3人グループ」とした。

 

(3)実際の授業の概略

 

◎課題

 

マットの上で棒回りができるか

 

●運動1 「マットの上で3 人組み運動」

Aいつにない3人グループという学習形態であり、どの子も積極的に取り組む。

 

○ 課題からうけるイメージとぼくにもできそうだからやってみよう、という意欲。それと、いつにない3人グループという学習形態であり、どの子も積極的に取り組む。

 

●運動2 「マットの上で棒回りをしょう」

り、低くしたり、高くしたりして遊んだあと、鉄棒を使用してやってみたら、

 

○ 子どもたちも逆上がりをあまり意識せずに喜んで棒回りをする。このあと、棒を固定したり、低くしたり、高くしたりして遊んだあと、鉄棒を使用してやってみたら、

 

B…13名、C…12名の25名が、B…2名、C…2名という成果として表われた。

 

四、研究の成果と今後の課題

 

(一) レディネスと課題設定

目標分析に基づくレディネスの状況を考察し、観点別に課題を設定することによって授業の体質改善に近づくことができた。

◆例◆

三つの観点からとらえたレディネスの状況が「A」「A」「A」のとき、その子は学習の見通しを持つことができるので「ひとり学習」の充実が期待できる。このような時の課題の設定は「児童生徒が特に困難を示す事項は何か」という観点に着目し、現在の能力が発展していき、さらにある程度の抵抗のある課題設定が必要である。

また、レディネスが「C」という児童がいる場合、いわゆる能力差の大きい時の学習形態は、「ひとり学習」プラス個別指導を取り入れたり、「ペア学習」と結びつけたりする。この時の課題の設定は「C」児童の最も多い観点に着目し、抵抗の少ない課題を設定する。

(二) 今後の課題

レディネスに基づく課題設定をより具体的にするため、教科の目標とレディネスを関連させ課題をとらえる研究をすすめてきたが、今後は形成的評価を重視しへ学習を進める上で学習形態と密接にかかわる課題設定の活動や学習ステップの構成の研究なども重視していかなければならないと考える。

 

 

 


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