教育福島0110号(1986年(S61)04月)-049page
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ふるさと探訪
−県指定重要文化財の紹介−
喜多方市周辺は、会津地方でも例外的に馬屋中門型式をとらない曲り屋型農民住居の分布地域であるが、その中あってこの遺構は特異な姿をもつ。すなわち、馬屋中門型式を加味しながら、基本的には地域の曲り屋形態を踏製し、また、縁側通りの下屋根とするなど、この地方には数少ない二段屋根型式を採用している。
天保年間(一八四○年頃)に建てられたという口伝かあり、この地方の上層農民住居として貴重な遺構である。
(建造物)旧手代木家住宅 一棟
−喜多方市−
所在地 いわき市常磐湯本町三函317番地の1 喜多方プラザ敷地内
所有者 喜多方市
(彫刻)
木造阿弥陀如来坐像 一◆
−いわき市−
ヒノキ材の奇木造り、彫眼の漆箔像であり、肉◆部は低く、螺髪は大粒で、通肩の袖衣を着しており、十四世紀の造形的特色か顕著に認められる。上底式の像底に建武二年(一三三五)正月に造像されたことを示す銘文が認められる。
また、銘文には比丘善米の名が見えており、小名浜保寺の正中三年(一三二六)銘の薬師如米坐像にみられる人物と同じである二とかわかる。
保福寺像を本歌とするこの地方における造像とみてよく、当代における彫刻界の動向を知らせる遺例である。
所有地 いわき市常磐湯本町三函317番地
所有者 惣善寺
坐像側面
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