教育福島0111号(1986年(S61)06月)-040page
研究実践
レポート
生徒の学習意欲を高める授業の実践
県立小野高等学校
一、はじめに
本校は全日制普通科三学級(六十年度四学級・五十九年度六学級)農業科一学級、商業科一学級(六十年度より一家政科一学級を募集する総合高等学校である。更に全日制普通科一学級の平田分校を併設している。
「質実剛健」「明朗濶達」を校訓に教育目標を「次代を担い、地域社会に貢献できる人材の育成」と掲げている。
具体的な目標としては、
(一)基礎学力を充実させ、目的意識をもたせる。
(二) 生活態度を確立させ、協調性を養う。
(三) 健康を増進させ、情操を豊かにさせる。
また、教師の努力目標、生徒の努力目標を設定している。
(一) 学習指導の実践的研究=真剣に学習しよう=
(二) 基本的生活習慣の定着化=校則を守ろう=
(三) 進路指導の充実と目的意識の育成=生きがいをみつけよう=
(四) 美化活動の充実=美しい学校をつくろう=
(五) 勤労体験学習の充実=働く喜びを味わおう=
(六) 特別活動の活発化=部活動に励もう=
このような目標を踏まえ、五十九年六十年度の二か年をかけ研究実践に取り組んだ。
二、研究主題並びに研究計画
(一) 研究主題
生徒が学習意欲をもって取り組める授業内容の研究
(二) 主題設定の理由
本校は普・農・商・家の学科をもつ総合高等学校である。しかし、生徒の学力は多様化しており、特に基礎学力の充実、目的意識の明確化、基本的生活習慣の定着を図らなければならない。そこで、生徒に学習に興味を示させることが本校にとって最も重要で、早急に対策を立てる必要から、研究推進校として全校で取り組むことにした。
(三) 研究の目標
生徒・地域・保護者などの実態をよく把握して、更に各学科・各教科の実情に応じて、生徒をいかにして能動的に授業に参加させ、学習効果を上げるかを各教科ごとに研究する。
(四) 研究内容及び方法
(1) 実態把握 意識実態調査・分析
1) 生徒の意識実態調査
2) 家庭の教育意識調査
3) 教師の意識調査
(2) 基礎学力調査−国語・社会・数学・理科・英語
(3) 公開研究授業−中・高連携をめざして
(4) 各教科の実践研究
(五) 研究の組織(省略)
(六) 各教科の研究テーマ
各教科の研究テーマ等は表1のとおりである。
三、実践研究
(一) 意識・実態調査
日頃から実態はとらえている積りでいるが、主観的なものである場合が多いので、確実なデータを作成するために意識・実態調査を実施した。
(1) 生徒の実態調査分析
(2) 保護者の教育意識調査分析
(3) 教師の意識調査分析
授業については九十パーセントの教師が、生徒は「内容によって興味を示す」と答えており「興味をもてる授業を展開することが大切であることに意を用いるべき」としている。基礎学力が不足し、持続力がないことから、 「いかにして生徒を授業に集中させ、学力を向上させるか」が最も大きな課題である。
生活態度では、礼儀作法・言動に適切さを欠くところがあるが、指導さえしっかりすれば改善できる可能性は十分に持っている。
最後に、私たち教師が本校生をどのように育てるかという目標は次の四点にしぼられた。1) 基本的生活習慣を身につけさせる。2) 良識ある人間味豊かな人間に育てる。3) 教養の