教育福島0111号(1986年(S61)06月)-000page
教育福島
’86 6月号
Vo1.111
目次
表紙絵〜ベン・シャーン「禽獣を知らねばならぬ」
特集
研究実践 [PDF]生徒の学習意欲を高める授業の実践・県立小野高等学校
養護教育センター通信 [PDF]心身障害児の教育相談スタート
名画敵歩「禽獣を知らねばならぬ」
ベン・シャーン作
(版画集《リルケ「マルチの手記」より》)
(紙・リトグラフ、五七・三×四五・三センチメートル、一九六八年制作 県立美術館蔵)
今月号は、表紙絵の作者ベン・シャーンの生涯をご紹介します。彼はロシアのリトアニア地方に生まれ、八歳の時、家族と共にアメリカに移住しました。少年時代から石版画工房で働きながら、夜間学校で勉強しました。
一九三二年、シャーンはサッコーヴァンゼッティ事件という冤罪事件を主題にした連作を発表し、多くの人々の共感を集めました。またこの頃、彼はアメリカ各地を歩く中から、民衆の生活を描くという主題を見出します。第二次世界大戦が始まると、彼は戦争の惨禍を深く悲しみ、平和を訴える作品を数多く制作ました。
彼はグラフィック・アート(ポスター、版画など印刷による芸術)の領域でも活躍しました。独特の細い線による画面構成や文字の装飾的な表現に、豊かな造形感覚が発揮されています。
民衆のための画家でありたいと願ったベン・シャーンの作品は、今も世界中の人々に愛されているのです。
ベン・シヤーン作(「スイミングプ−ル」県立美術館蔵紙・テンペラ 1945年 55.9×76.2cm)