教育福島0111号(1986年(S61)06月)-051page

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世界の教育は、今。 海外教育事情の紹介

個性を育てる学校制度

−オーストリア−

オーストリアの教育は、その自然と位置及びキリスト教に深く関係しており、広大な自然の舞台には、人々が織りなし築いてきた文化や芸術等の遺産が今も残っている。また、文明の十字路として、東西南北の文化を吸収して今月の姿を形成いる。

この国の教育制度は、基礎教育と巾広い個性教育が基本になっている。

一九七一年からは、教育実験総合計画が実施され、すべての生徒に、より高度な教育を与えるために子どもの素質・才能を早期に的確に把握する方法の研究をすすめ、高等小学校やギムナジウムに、多様な実験学校を設けた。特に、音楽、体育の高等小学校、外国語、国語、数学、社会科、理科等を特色とするギムナジウムが設定されている。

このような教育体系の中で生徒は、個性に応じて、学校間を自由に移動できる仕組みになっている。

特殊教育は、心身の障害別特殊学校のほかに、高等小学校に特殊学級が設置され、日常生活の基本や社会生活、職業生活への準備教育及びコミュニケーションを教育目標にし、障害や能力に応じた教材・教具が用意され、能力別、個別指導が行われている。言語、機能、作業訓練士は教育委員会より派遺される医師等とチームで診断・治療にあたっている。

民族音楽や舞踊で迎えてくれた盲学校やギムナシウムの子どもたち、ジャズダンスで体の名称や働きを学習していた知恵おくれの子どもたち、モード雑誌から好きなスカートを選び製作に励んでいた女の子、またテーブルを見事にセットし、客をもてなす調理実習の中学二年生などグラーツ市の子どもたちは実に生き生きとしていた。

昭和六十年度文部省教員海外派遣長期研修第七十団(特殊教育)

県立いわき養護学校教頭 小室昭

国立体育高等小学校の体育授業 (一年生)

国立体育高等小学校の体育授業 (一年生)

<オーストラリアの教育制度>

<オーストラリアの教育制度>

国立グラーツギムナジウム図工学習 (一年生)

国立グラーツギムナジウム図工学習 (一年生)


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