教育福島0112号(1986年(S61)07月)-019page

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かしたい 三十三・四%

ウ、余暇活動を有効に過ごしたい 二十八・八%

エ、自分の人格向上や成長に有益だから二十四・七%

以上のようになっています。

このことから、みんなと楽しく過ごす友人志向が高く、続いて、自己の向上を目指す成長志向が高い。しかし、社会や他人のために活動する社会志向が少ない傾向にあります。

本来、高校生の集団活動による効果として期待されていることは、団体や地域活動を通して、幅広い生き方を身につけ、視野を広くすることによる社会性の形成、他人の眼にうつる自己の長所、短所を自覚することによる自己の客観化、孤立することから脱け出して、他人との話し合い、コミュニケーションによる連帯性の形成などであります。

高校生には、これらのことを、特にボランティア活動を通して身につけることが大切であります。

ボランティア活動は、高校生の心情をゆさぶり、感性を豊かに育て、具体的な実践力を育てる学習の場であります。

高校生のボランティア活動の視点として大切なことは、

ア、地域のボランティア活動の実態を知ること。

イ、地域の身近かな生活課題を知ること。

ウ、地域で、今必要としているボランティア活動を知ること。

工、ボランティア活動の役割を理解すること。

オ、ボランティアの方法や技術を身につけること。

などです。

これらのことを学習し、実践することが望ましいボランティア活動です。

東京ボランティアセンターの調査報告書「ボランティア活動と価値観」によりますと、ボランティアに参加して、

ア、以前よりものの見方が広く深くなった五十二・四%

イ、以前より他者を理解し思いやるようになった 五十六・一%

このように、ボランティア活動による変容は、「物の見方」や「他者への理解」にみられます。

このことから、ボランティア活動への参加は、他者への貢献を媒介とした自己の内面への問いかけの自己表現ともいえます。

また、社会参加の活動による、自己の内面の「意識」の変容の具体的なあらわれであり、まさに、「参加」したことになります。

 

(四) 学習要求と活動

 

1) 希望が多いふるさと学習

表10は、公民館が主催する事業でどんなことについて学習したいか、希望する項目を上位五つあげたものです。

その学習要求の傾向をみると、

ア、ふるさとの生い立ちや民話、伝説、むかしの遊びなど、郷土に関する学習要求は、小中学生で多くあり、高校生になると少なくなる傾向にあります。

イ、音楽、絵画、映画の鑑賞や将棋、マイコンなど、室内で個人で楽しむ趣味に関する学習要求は、全般的に多い傾向にありますが、特に、中学生に多い。

ウ、自然とふれあいながら身体を鍛え、仲間ともふれあえる野外活動やスポーツ活動に関する学習要求は、小学生にやや多くみられるものの、中高生になると少なくなる傾向にあります。

エ、リーダー養成研修やボランティア活動など、奉仕に関する学習要求は中高生になるにつれ多くなる傾向にあります。

また、昨年、県内七十五市町村で実施した「ふるさと少年教室」(小中学生が参加対象)の学習内容を、実施時間数でみると、次のようになります。

ア)、郷土に関する学習 十七・八%

イ)、芸術・文化に関する学習 十・七%

ウ)、科学に関する学習 二・三%

エ)、奉仕・生産活動に関する学習 十・二%

オ)、野外活動、スポーツに関する学習 四十六・四%

カ)、その他 十二・六%

以上のことから、少年教室では、少年の学習要求をそのまま受け入れた、学習内容としていないことがわかります。

このことは、青少年の教育に当たって、個人の自発的な「学習要求」を尊重しながらも「学習必要」の面を加味し、学習計画を作成することが望ましいからです。

学習内容を編成するに当たっては、それぞれの地域でかかえている今日的課題を明確にし、次のような視点でと

 

公共施設の花だんづくり(広野町ふるさとづくり少年教室)

 

公共施設の花だんづくり(広野町ふるさとづくり少年教室)

公共施設の花だんづくり(広野町ふるさとづくり少年教室)

 

 

 


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