教育福島0112号(1986年(S61)07月)-021page
らえることが大切です。
2) 学習必要と学習要求
今、青少年に大切なことは、生活体験を豊かにすることです。学校や家庭で忘れていること、不足していること、体験できないことを、地域社会で、自然や文化、人々とのふれあいを持たせ、子どもの心を感動で揺さぶり、刺激させるような学習計画を意図的に作成することが必要です。
三、社会参加の促進
(一) 家庭での参加促進
家庭において社会参加意欲を育てるには、家事を成長に応じて分担させることから始まります。
表11によると、小学生の三人に一人は、毎日決まった仕事を家族の構成員の一人として、責任をもって継続的に行っています。しかし、中・高生になると決まった仕事をしない傾向にあります。
やはり、家庭では、家庭内のさまざまな役割分担について、親子で話し合いをすることにより、家庭という集団に対する子どもの意思決定への参加機会をもつことが大切です。
そして、親と子の生活領域の違いについて、相互に認識を深め、自己を確立し、協調の精神をはぐくむうえで大きな期待がもたれます。
特に、家庭は、子どもたちの人間形成の行われる場のうち、最も基本的な役割をもつところです。
表12でみられるように、子どもは朝晩、親と顔をあわせるたびに「勉強せよ」と言われていたら、どのような心理状態になるでしょうか。
親は、子どもの心身の発達について理解したり、子どもを正しく指導する方法を身につけたり、ものごとの価値を教えることが義務といえます。
そのためには、親自らが家庭の外に向って、社会に参加し、積極的に活動することが望まれます。
今日の子どもは、親の社会体験不足から「言葉」だけで指導されているので、物事の判断の仕方が身についていないといわれています。
親自身も社会での生活体験を豊かにし、その体験したさまざまなことを家庭で語りながら子どもの心を豊かにする集団活動や、地域活動への参加を奨励することが大切です。
(二) 学校での参加促進
今、学校は、「社会化」が強く要請されてきています。それは、学校が、
表11 家の手伝い
表12 日ごろ両親からよく注意されること