教育福島0112号(1986年(S61)07月)-051page
世界の教育は、今
海外教育事情の紹介
基礎基本の徹底指導
-フランス−
幼稚園の教室へ入るとすぐ園児全員が起立し「ボンジュール」。この姿は今もって私の目に焼きついている。
さて、私が訪問したのはフランスの中央、バリから二百キロメートルのところにあるシエール県のヴィルゾン市、工業の発展と共に教育への力の入れようは相当なものである。
幼小中といずれも個性や創造性を伸ばす指導に重点かわかれ、社会生活への適応能力開発が主たる目標となっている。特に幼小における絵画教育を中心とした個性教育や、基礎基本の徹底指道は将来の人生に大きな影響を与えるであろうと思われる。小さな身体でキャンバスにむか,ている可愛いい園児の姿は、なんと印象深いものであったか。
中学校においては、日本の特殊教育と同じようなシステムもあるが、英才教育も実施されている。
養護教育の日本との大きな違いは、教会か中心となっていることである。そこに国や県教委が参与し一つの医療関係を形成している。訪問したナンセ医療教育養護施設では百ヘクタールの土地で九十人の生徒が社会的自立の教育か行われていた。また、技術高校では、コンピュータ教育が行われ、産業界との人的、物的交流か進められている。
特に、科学技術向上を目指す中にも失われた人間性の再発見と同時に二十一世紀に生きる人づくりに力を入れている。
昭和六十年度文部省教員海外派遣
長期第三十四団教育事情視察団
船引町立中山小学校教頭 国分長次
キャンバスにむかう園児(ヴィルゾンシャート幼稚園)
マイコンを使った基礎・基本のてってい指導(ヴェルゾンテニュー小学校)
“刺しゅうの訓練”(ナンセ医療教育養護施設)
個性や創造性を伸ばす授業(アンバーとかミュー中学校)