教育福島0113号(1986年(S61)08月)-010page
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学年目標は、学年の発達段階や教育課題に即して、学校の教育目標を具体化し、その到達すべき指標を明らかにしたものである。
学年目標は、学年を担当する教師が共通の構えをもって、学年経営の推進に努める目標であり、学級目標を設定する際の方向づけをするものである。
その設定に当たっては、次の点に留意したい。
ア 教育目標の内容を的確にとらえ、児童生徒の発達段階や実態に応じた具体的内容とする。
イ 目標を日常生活のどのような場で達成させるか、その指導の場と機会を明らかにする。
ウ 目標が学年の段階で、どの程度達成できるか、目標値が高過ぎないかなどを検討する。
エ 目標のどこに重点を置くか、月、学期、学年毎に明らかにする。
オ 学年教師の役割を明確にし、目標達成のための推進と評価改善が容易に行えるようにする。
2) 学級目標
学級の目標は、その学級が目指す学級自体の目標である。学級目標が、その学級の実態や学級担任の教育観などによって、多少の違いはあるにしても学校の教育目標、学年の目標を受けたものでなければならない。
小学校中学年以上では、学級目標設定には、児童生徒が積極的に参加し、自らの目標として設定することが望ましい。そのためには、次の方法例が参考になる。
ア 学級の実態(伸ばしたい点、改めたい点)をとらえさせる。
イ 学級目標を設定する理由や、学校学年の目標との関連で設定することを理解させる。
ウ 学級の目標とする課題をとらえさせる。(学習、生活の両面から)
エ わかりやすく、常に意識しやすく、評価しやすい表現に工夫する。
オ 児童生徒一人一人が学級目標に対する自分自身の到達目標と到達期日を設定する。
(2) 各教科、道徳、特別活動の目標への具体化
教育目標を教育課程の編成、実施や授業の実践にどう結びつけ、具現するかは、最も研究を深めなければならない課題である。学校の生活時間の大半を占めるこの時間に目標を達成することが最も必要であることは、だれもが認めるところである。
したがって、自校の教育目標のどのような内容が、各教科、道徳、特別活動のどんな場で達成することができるかを検討し、意図的、計画的に指導が展開できるよう具体化する必要がある。
そのためには、次の方法が重要である。
ア 本年度の重点目標達成の視点から教育課程を編成する。
例えば、「よく働く子ども」の育成が重点であれば、特別活動の時数を増やし、勤労体験的学習を取り入れる等である。
イ 具体化した目標を、各教科(道徳・特別活動)の単元・題材の学習活動の中に位置づける。
例えば、指導計画に教育目標との関連で特に重視することを明記するなどである。
ウ 教育目標達成のため教科で努力することを年度当初に児童生徒と話し合い、教科学習目標、約束ごと等を評価表として作成する。
エ 授業案に教育目標とのかかわりを記述し、意識して実践できるようにする。
2、具現のための組織と体制
教育目標を効果的に具現するためには、教職員の役割を明確にし、各人のもつ力を十分発揮できるようにすることと、全職員が共通理解をもって協力的に取り組む体制をつくることが基本的条件である。
この体制がよく機能するためには、次の配慮が必要である。
ア 組織は、教育目標を効率的に達成できるよう学校の実態に即して設置する。
イ 職務の内容や実施時期、方法を明確にし、担当者の責任体制を整える。特に、年度当初に、各人が意欲的に実践できるよう十分話し合い、理解を図るようにする。
ウ 職員のチームワークがよく、協力して実施できる組織体制を整える。そのためには、適材適所の配置はもちろんであるが、リーダーの心配りが大切である。
エ 定期的に委員会、各係会等を開催し、到達度や、今後の努力事項等を明確にし、提案する体制をつくる。この各係の活動を活発にし、それらが有機的な関連をもって運営できるようにするには、統轄する係の連絡調整とち密な実践・評価の計画が必要である。
オ 学校の教育目標を家庭、地域社会等で十分理解し、協力的に実践できる組織体制をつくる。
カ 児童一生徒一会の組織が教育目標具現に大きな力を発揮できる体制をつくる。そのためには、学級の組織と児童(生徒)会の関係、教職員の係との関係が円滑につながるようにする。
3、実践と評価
日々の実践と評価は表裏一体のものである。常に、児童生徒の目標達成状況を評価し、指導法を改善し、更に目標に迫るよう指導を加えていく営みが教育実践である。
教育目標達成のため、活力のある学校運営をするには、次のことが重要である。
ア 教師、児童生徒の評価や改善策を
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