教育福島0113号(1986年(S61)08月)-021page
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まし、時には、厳しく教え導く教育を推し進めることが大切である。
(2) 家庭との連携を図る経営
交通網の整備、情報量の増大等により、家庭生活も大きく変化してきている。学校教育は家庭教育を基盤として推進されるものであり、人間形成上お互いに補完的な役割がある。そうした意味において、相互に話し合い、目標を確認して協力することが大切である。父母と教師との人間的な触れ合いの中での話し合いは、へき地・小規模校では可能であり、より連携を強化する必要がある。
(3) 地域の教育力を生かす経営
児童生徒は豊かな環境の中で、学校、家庭、そして地域の教育力で育つ。人間性豊かな児童生徒の育成には、それにふさわしい教育的環境を整備充実する必要がある。豊富な地域素材を学習の場に生かし、児童生徒の五感を通して学ばせることが大切である。更に、学校教育目標に、地域の教育課題や地域住民の願いを取り入れるとともに、学校の教育方針が地域の人々に理解され、協力を得られるようにすることが大切である。
(4) やる気を育てる経営
へき地の児童生徒は「学習意欲がない」「積極生がない」など、観念的に考えがちであるが、一方、明朗快活、純真素朴であり、可能性を秘めた児童生徒である。教師の熱意と個を生かす指導法の開発によって、一人一人の児童生徒の可能性を最大限に伸ばす努力が望まれる。また、児童生徒は、学校への誇りをもつことで、自分の生活に自信をもち行動が積極的になる。音楽で、花づくりで、体力づくりで、生産活動等で、児童生徒が胸をはって誇ることのできる学校づくりを進めたいものである。誇り得る努力の結果をもつことは、児童生徒の心の支えとなり、自信をもたせ、学校の士気を高めることにつながる。
2、特性を生かす授業
(1) 少人数のよさを生かす指導
少人数では集団思考が困難であるといわれるが、家庭的な雰囲気であると個人の存在価値が認められ、個人の責任が自覚される。したがって児童生徒一人一人が集団の一員としての意識をもち、他を認め、率直に意見を述べたり、聞く態度を伸ばしたりすることが大切である。
(2) 主体的な学習態度の育成
少人数の固定的な集団では、追随的、妥協的な学習に陥りやすい。学習が意欲的、主体的に進められるよう指導過程を組織し、目標、課題、教材内容、学習方法等が一人一人の学習成立に機能するよう配慮する必要がある。また、児童生徒どうしの話し合いや教科に応じた学習の進め方などの学習方法を訓練して、主体的な学習がなされるようにすることが大切である。特に複式授業においては、自学自習の習慣や異学年との協力活動を通して、より主体的に学習する態度を育てることができる。これらの長所を生かし、基礎的・基本的事項を確実に身につけさせ、一人一人の能力や個性の伸長を十分に配慮した指導の展開ができるようにする。
(3) 教育機器や資料の積極的な活用
学習指導における教育機器や資料の活用は、児童生徒の興味・関心を高め、理解を助けるのに大きな役割を果たす。したがって、視聴覚教材の利用、教材教具の自作、機器の活用を積極的に行い、学習の意欲や経験の拡大、授業の効率化が図られるようにする。
(4) 指導と評価の一体化を図る指導
少人数学級のよさは、一人一人にゆきとどいた指導がより可能なことである。個々の児童生徒について、学習結果の考察やつまずきを記録し、診断する個人カルテ作り、それらを盛り込んだ授業の実践などが考えられる。それらの実践をもとに、確かな客観的資料に基づく実態のとらえ方、とらえた実態をどのように授業に生かすか、そしてどのような変容を期待するのか、そのためにどんな手だてをもって指導するのかといったことについて、一層の実践が必要である。
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10) 体育・保険・安全及び給食指導の充実
健康・安全の保持増進及び体力の向上を図るには、体育・保健体育科の授業を基盤としながら、特別活動との有機的な関連を図り、学校の教育活動全体を通して行うことが大切である。
小学校体育の指導は、適切な運動の実践によって基本的な技能を養い、力いっぱい運動して活動欲求を満たし、運動の楽しさを児童一人一人のものとすることである。
中学校においては、生徒の能力に応じて運動の楽しさや喜びを体得させながら、生涯体育の基礎となる運動実践に必要な能力と態度を育てるとともに、健康の増進と体力の向上を図り、明るく豊かな生活を営む態度を育てることにある。
保健・安全及び給食指導は、主として学級指導、学校行事、児童(生徒)活動等の特別活動や日常の学校生活における指導で取り扱い、それぞれのねらいを明確におさえて指導することが必要である。特に、学級指導を中心に児童生徒の発達段階に応じて基礎的・基本的事項を確実に理解させ、自主的に健康で安全な生活を実践する能力と態度を育てることが大切である。
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