教育福島0113号(1986年(S61)08月)-020page

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ウ 保護者に対して、望ましい進路指導のありかたや、進路選択の重要性について積極的な啓発に努めるとともに、地域社会・高等学校及び職業安定所等の関係機関との連携に努める。

 

2、進路指導の進め方

 

進路指導は、生徒自らの生き方についての指導・援助であるので、生徒一人一人の将来に対する夢や希望を育てていくことが大切である。

したがって、進路指導を進めるに当たっては、指導の中心は学級指導の場にあるが、学習指導、生徒指導等すべての機会を通じて生徒の理解を深めるとともに、生徒個々の能力や適性を的確に把握し、将来の進路を計画し、選択する能力を育てることが必要である。

また、就職や進学をすることが、自己の将来の生き方にどのような意味や価値があるかについても、生徒の発達段階に応じて十分指導することが重要である。

そのためには、三か年を見通して計画的・継続的な進路指導が行えるよう各学年における進路指導の発展・系統性を明かにし、指導計画を作成するとともに、各学年の指導の充実に努めることが極めて大切である。

例えば、

ア 第一学年では、進路についての関心を深めることに重点を置くが、自己をよく理解し、進んで進路を計画しょうとする態度を養うこともおさえる必要がある。

イ 第二学年では、進路を明確にしていくことに重点を置くが、自己理解を深め、職業や上級学校などに関する進路情報を理解させ、一層明確な進路希望や計画をもたせるとともに、自己の計画を吟味し、実現に努めようとする態度を養うこともおさえる必要がある。

ウ 第三学年では、自己にふさわしい職業や学校を選択し、具体的に進路を決定することが中心となるが、そのために必要な知識が不十分であれば、当然指導しなければならない。

また、第三学年の指導に当たっては、進路をめぐる不安や焦りなどから情緒の安定を欠きやすいので、適切な配慮を行うとともに、進学希望者と就職希望者との相互理解が図られるよう実態に即した指導を進めることが重要である。

こうしてみると、各学年における進路指導を充実するためには、前学年までの指導内容を完全に指導しておくことが必要不可欠になってくる。

さらに、生徒が進路を決定する過程では、将来に対する期待や進路への希望、そして身近かな人々に対する感謝の気持ちが自然に学習されることが望ましい。

 

3、進路指導と学級担任

 

学校における進路指導が適切に行われるためには、進路指導の全体計画にしたがい、具体的に指導を推進する立場にある、学級担任の熱意と指導力に待つところが大きい。

したがって、学級担任は、進路指導の重要性とその果たすべき役割を十分理解し、学級の実態に即して適切な指導計画を作成し、指導法を工夫するなど、積極的に生徒の指導に当たることが望まれる。

進路指導における学級担任の役割としては、次のようなことが考えられる。

ア 学級の指導計画の作成と実施

イ 学級における進路指導の目標、方針、努力点の設定と実践

ウ 学級指導における進路指導の推進

エ 各種資料・情報の収集と提供

オ 生徒に関する個人的並びに集団的な資料の収集・整理・活用

カ 進路相談の計画的実施と生徒の能力・適性の発見

キ 保護者との連携及び啓発

学級担任は、生徒一人一人について、個性や家庭の事情を十分理解しておくことが大切である。さらに、本人はもとより、保護者の進路に関する希望を尊重し、家庭の協力を得ながら自己実現が図られるよう計画的・継続的な援助指導を進めることが望まれる。

また、進路指導を通じて生徒の自主性の発達状況をたえず確かめ、変化の激しい社会の中で、自己を正しく生かせるよう指導を継続することが最も重要である。

 

9) へき地・小規模校 教育の充実

 

1、特性を生かす学校・学級経営

 

へき地の学校並びに小規模校における指導は、基本的には、他の学校と変わるものではない。教育活動が児童生徒一入一人の個性、能力に応じた成果をあげるためには、児童生徒の実態を客観的にとらえ、それを総合的に判断して教育課程を策定する必要がある。特にへき地・小規模校にあっては、その特性を明確にした指導と実践を進めることが大切である。また、へき地・小規模校だからできる教育活動の創造と実践に努めることが強く望まれる。

(1) 少人数の特性を生かす経営

少人数ということは、指導上多くの問題もあるが、反面、こまやかな個別指導ができるなどの長所がある。少人数という長所に着目して、一人一人をどのように伸ばすかを中心的な課題としてとらえ、全職員の共通理解に立った実践を進めることが重要である。「全職員が、全校の児童生徒の担任である」といった立場で、時には、賞賛し、励

 

 

 


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