教育福島0114号(1986年(S61)09月)-017page
自己理解を深め、進路選択能力を高める進路指導
−進路指導計画の充実と自主的活動を生かす指導法の工夫−
伊達郡川俣町立川俣中学校
一、はじめに
本校は昭和五十九・六十年度の二年間にわたり、県教育委員会より進路指導実践研究校としての指定を受け、学級指導の充実を中核として実践を続けてきた。ここにその実践の一端を紹介したい。
二、主題設定の理由
研究指定を受けたことを機に、進路選択に関する調査を実施したが、その資料から次のような実態をあげることができる。
1) 多くの生徒が進路に関する悩みをもっているが、進路決定のために相談ずるのは母親が最も多く教師への相談は少ない。
2) 決めた進路について、不満やあきらめをもつ生徒が見られる。
3) 高校ならどこでもいいというような、目的意識の育っていない生徒も見られる。
今までの進路指導は、高校合格を目て計画的・継続的に実践されにくい面があった。現状における問題点を整理すると
1) 進路指導の意義や必要性についての理解を深める。
2) 進路指導が計画的・継続的に行われるように年間計画を整備する。
3) 進路指導が組織的に行われるように校内体制を整備する。
4) 学級指導における進路指導の充実を図る。
5) 自己理解・生徒理解を強化し、個別指導の徹底に努める。
進路指導を深化・統合する場が学級指導である。現在の課題を解決し、生徒の進路意識を高めるためには、学級指導の充実が大切であると考え、表記の主題を設定した。
三、研究の仮説
入学から卒業までの期間にわたって、次のような視点から学級指導の指導の充実に努めるとともに、計画的・継続的に進路指導の充実を図れば、生き生きとした活気のある学級指導がすすめられ、生徒個々人の進路選択能力が高まり、自己実現への道が開けるであろう。
1) 進路指導全体計画の作成
2) 学級指導年間指導計画の充実
表1 進路選択に関する実態調査
1. 進路を決めるまでに悩むことがありましたか
2. 進路を決めるために相談したのは誰ですか
3. 決めた進路について、今どう考えていますか
4. 決めた学校は