教育福島0115号(1986年(S61)10月)-006page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

提君

 

道はちかきにあり

県立博物館長 高橋富雄

 

【筆者紹介】

 

【筆者紹介】

高橋富雄・たかはしとみお

大正十年七月二十八日岩手県に生れる

昭和十八年四月 東北大学法文学部国史学科卒業

昭和二十三年九月 東北大学大学院特別研究生第二期研究生修了

同年 旧制第二高等学校講師

昭和二十四年五月 東北大学教養部講師

昭和二十七年六月 東北大学教養部助教授

昭和三十九年四月 東北大学教養部教授

昭和四十四年四月 東北大学学生部長(同年十一月)

昭和四十九年四月 東北大学教養部長(昭和五十一年三月)

昭和六十年三月 東北大学退職

昭和六十年四月 盛岡大学教授 文学部長

昭和六十年四月 東北大学名誉教授

昭和六十一年四月 福島県立博物館長

なお、

昭和三十三年三月 文学博士

昭和六十年一月 河北文化賞を受賞。

 

県立博物館は、この四月発足、十月十八日のオープニングに向けての準備に全力をあげてまいりました。わたくしも、その名誉ある初代館長として、及ばずながらも微力をつぐして、福島の文化を代表するとともに、ひいて東北文化の窓口にもなるように、この博物館を育て、県民の期待にこたえるようにしたいとおもっております。

四月八日、会津藩祖保科正之公ゆかりの信州高遠町贈与の名花コヒガンザクラの記念植樹が行われましたとき、松平知事は、「この博物館は、県立図書館・同美術館とともに、県の文化元年を記念する文化事業の一環をなし、全体をしめくくる意味をもつものである」旨のごあいさつをなさいました。わたくしは、身がひきしまる思いで、拝聴いたしました。

福島県文化元年事始め。

わたくしは、目標を同じくする人たちと、手をたずさえて、わが博物館を、文化福島の前途にしおりする文化ニュー・ディール(再出発)の起点にしたいものと念じております。

 

いま、「地方の時代」ということが相ことばのようになっています。しかし、この目標が、まだよく地方に根づいていないのは、このことばが、あまりに政策的なスローガン風に用いられているからでないかと、わたくしなどは感じています。

わたくしは、学問や教育・文化にかかわりのある人たちが、もっとしんけんにこのことばをうけとめて、「地方の時代」と

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。