教育福島0115号(1986年(S61)10月)-008page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

特集1)

 

福島県立博物館の概要

〜文化の伝承と創造をめざして〜

 

県立博物館を正面から見る

県立博物館を正面から見る

 

はじめに

 

福島県立博物館の設置については、昭和五十二年以来、その目的、性格、機能、規模、施設、組織定数等について検討を重ね、昭和五十九年七月から工事を進め、本年四月一日公所を開設し、十月十八日にオープンの運びとなりました。以下その内容についてご紹介いたします。

変化の激しい今日の社会にあって、人々は心の豊かさと、生きがいのある生活を願い、実物に即した学習による優れた文化の伝承と新たな文化の創造への指向が、かってない高まりをみせている時、県は、昭和五十四年を文化元年と位置づけ、図書館、美術館、博物館のいわゆる「文化三施設」の整備に着手しました。その有終の美を飾る博物館が完成し、県民が等しく、教育・文化の恩恵を享受し、県民に密着した文化の伝承をはかり、将来の学術文化の進歩に対応できる内容と高い格調を備え、以って地域社会の形成発展と学術文化振興の役割を果そうとするものです。

 

一、性格及び特色、

 

(一) 性 格

 

1) 継続的調査研究と積極的な資料収集を基礎として、各時代における本県各地域の特色、とりわけ、歴史上果した役割を主題とする展示等の諸活動を行い、人文系を主とし、その背景にある自然をも含めた、特色あるテーマのもとに構成されており、原始時代より現代までの資料を、総合展示、部門展示、収蔵資料展示、企画展示に区分し、わかりやすく、しかも生きた博物館のイメージを作り出します。

2) 調査研究、収集整理、保存管理、展示公開、教育普及の諸活動を行い、県内の博物館、資料館等の中心施設としての役割を果すとともに、博物館資料の情報センター、保存科学センターとしての機能を有し、県内外各種博物館、資料館.研究機関等との交流及び連絡協調を図り、以って学校教育、社会教育との連携を図っています。

 

(二) 特色

 

1) 会津の自然環境との対応をはかるとともに、歴史的環境との調和に留意し、明るく、親しみやすく、かつ落着いた雰囲気のある空間とするため、南に開いた形に配置し、広大なエントランスホールを中心に、日常的に利用できるよう配慮されています。

 

2) 博物館の機能を十分発揮出来るように、収蔵、展示、管理部門と入館者、職員、資料の動線を明確に区分し、全館を段差のないワンフロアとし使いや

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。