教育福島0115号(1986年(S61)10月)-038page
九月定例県議会から
昭和六十一年度の九月定例県議会は、九月二十二日から十月七日の十六日を会期として開催されました。県議会は本会議場での各党代表質問と一般質問及び総務公安、企画農林等六つの常任委員会等で審議が進められます。教育問題については、商工労働文教委員会で審議されます。
今号では、このうち本会議での代表質問と一般質問について教育問題にしぼってその概要を紹介します。
(なお、文中、敬体表現、語尾等を省略し、大意のみをあげるとともに、一部を割麦しました。)
◆九月二十五日
代表質問 原 誠県議(日本社会党)
答弁 佐藤昌志県教育長
※質問−−今夏の集中豪雨災害復興対策の中で、高等学校授業料の減免についてどう対応し、またその対象者はどうなっているか。
★答弁−−災害により授業料の納入が困難な者に対しては、従来のように授業料免除の手続きを進めている。
その対象者数は、現在のところ全日制高校二百二十九名、定時制高校一名の計二百三十名である。
※質問−−来春の高校入試要綱策定の基本的考え方と主要なねらいは何か。
★答弁−−入試要綱は県立高校入学者選抜対策会議の報告を十分尊重して決定した。選抜にあたっては、偏差値問題や受験産業への依存等受験競争による人間形成の歪みを是正し、健全でのびのびとした中学校教育と特色ある高校教育の推進をめざしている。
※質問−−受験生の「行動及び性格の記録」のA)標示、五点配点を取り止めたが、来春以降はどうか。
★答弁−−同「記録」は、生徒を多面的にとらえるための資料であり、今後とも重視していく。来春は、各高等学校がこの「記録」の優れた評定に配慮するという形で重視し、今後も研究を続ける。
※質問−−今春から実施した普通科、理数科の推せん入学はやめるべきではないか。
★答弁−−普通科、理数科での推せん入学制度は、各学校の実態をふまえ、それぞれの学校の特色にふさわしい資質を有するものを選び、学校の活性化を図るという考えで実施しており入試対策会議でもひき続き実施拡大を図ることが望ましいとの報告を得ており継続実施する。
◆九月二十六日
代表質問 和田光豊県議(自由民主党)
答弁 佐藤昌志県教育長
※質問−−臨教審第二次答申に対応した国の文教施策をふまえ、初任者研修制度についてどう考えているか。
★答弁−−当該制度については、庁内の「教育改革推進検討委員会」で調査研究している。国は六十四年度実施に向け、六十二、六十三両年度全国的に試行の予定。試行計画では、一県当たり小・中・高・養で計七十名で、指導教員による指導、センター等での定期的研修、国内研修などの形態となっている。
◆九月二十九日
一般質問 佐川吉平県議(公明党)
答弁 佐藤昌志県教育長
※質問−−学校現場で、いじめ、体罰などをどのように解消するのか。
★答弁−−いじめ解消は県教委の生徒指導の最重点である。そのため関係者の密接な協力、教育相談の充実、学校・家庭・社会の連携、開かれた学校づくり等に努めている。体罰については学教法に基づき禁止、その絶無を期し、機会あるごとに指導している。
※質問−−中高生に対してシンナーの恐しさの指導の必要はどうか。
★答弁−−県教委では「薬物乱用を防ぐために」という指導手引きを作成、その防止を図っている。また各学校・機関・家庭と連携し個別指導を通
◆九月三十日
一般質問 木村 昇県議(自由民主党)
答弁 佐藤昌志県教育長
※質問−−教科書採択で「県選定教科書」といわれる背景は何か。
★答弁−−教科書採択の権限は地教委にある。現在九つの地区で地区選定審議会で選定している。その結果として同一のものになったと考えている。
※質問−−採択地区ごとの選定理由を公表すべきと思うがどうか。
★答弁−−純粋な教科書研究の立場を確保し、採択の公正を期すためにも公表は望ましくないと考えている。
などの他、木村県議からは、教育委員会の活性化の研究について、市町村教委の現状やテーマ選定理由について、渡辺一夫県議(自由民主党)からは、国際理解教育についての質問がありました。
本議会で答弁する佐藤県教育長