教育福島0116号(1986年(S61)11月)-008page

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特集 「1」

 

医療保険制度の現状から

(附・高度先進医療について)

〜福利・厚生の充実

 

我国の医療保険制度は次の六つの制度に分かれており、国民はいずれかの制度に加入することとされています。 (下表参照)

 

地方公務員については、地方公共団体、又は職種ごとに九十一の共済組合があり、私達が加入している公立学校共済組合はその中の一つで、地方公務員等共済組合法の規定に基づき、全国の公立学校の教職員で組織された公的法人です。

 

公立学校共済組合は、本部を東京に支部を各都道府県に設置し運営されています。

共済組合の主要な事業の一つである医療給付については、その財源を組合員と使用者である地方公共団体が二分の一ずつ負担することとされており、また保険料(掛金・負担金)については収支の均衝をみて必要に応じ改定できることとされています。

 

このことから、組合員やその被扶養者の医療費の増加が、直接組合員の負担増へとはねかえることになり、その動向については、常に注意が必要です。

今回は、人生八十年時代を踏まえた医療保険制度における医療給付の現状等を中心に述べてみることにします。

 

はじめに

 

高齢化社会を迎え近年、医療保険制度の大規模な改革が相ついで行なわれたところである。

一つは、老人保健制度の施行(昭和五十八年二月)であり、一つは健康保健制度の改革(昭和五十九年十月)である。

老人保健制度の施行は、国民の老後の健康確保のために、壮年期からの総合的保健対策と、負担の公平化を図ることを柱とし、また健康保険制度の改革は、人生八十年時代に対応した医療保険制度の安定した基盤確立のため、医療費の適正化、保健給付の見直し、負担の公平化を柱として医療制度全般にわたって改革が行われたものである。

医療、特に医療給付の問題は、われわれ教職員とその家族の生活に、極めて重要な係わりをもつものであるが、これら医療制度の改革によりどのような影響をもたらされたのであろうか。

共済組合の医療給付の現状と、そこに現れたものを探り、今後なすべきことは何かを考えてみたいと思う。

 

一 医療給付の実態

 

一 医療給付の実態

 

(1)医療保険制度改革後の医療給付の推移

 

老人保健法施行の昭和五十八年二月前と、施行後における医療給付の状況は、「本人・家族医療費月別給付状況」図1、図2に見られるように、制度施行を境に金額件数ともに急激な下降を示している。これは老人保健法施行により、保険者一公立学校共済組合一の医療給付制度から

 

保険制度のいろいろ

 

 

 

 


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