教育福島0116号(1986年(S61)11月)-012page

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民すべてが公平に負担するという観点に立ち、医療費の七割について二分の一は実績額(医療費按分)残りの二分の一は老人加入率を全保険者平均に置き換えて計算(加入者調整一した率一加入者按分率一により算定した合計額となっている。今回の拠出金改正案では、現行加入者按分率四十四・七パーセントを本年十一月から八十パーセントに、更に六十二年三月で百パーセントに引き上げようとするものであり、この改正がなされれば、われわれ共済組合においても、かなりの負担増が見込まれるところから今後の審議の過程に関心をもって見守る必要があろう。

以上、医療給付の実態を述べてきたが、次に関連として、医療供給体制の面ではどのような状況にあるのかその現状にふれてみたい。

 

二 地域医療供給体制の現状

 

我が国の医療供給体制は量の面において相当の水準に到達しているといわれているが医師数や病床数等を地域別にみるとかなりバラツキがみられる。厚生省大臣官房統計情報部調査によると都道府県従業地別人口十万人当りの医師数を表1−1でみると東京都二百一・六に対し埼玉県八十六・四、そして本県は百二十四・九と大きな差があり、また表1-2の歯科医師数についても東京都八十八・二に対し沖縄県の三十・七、本県三十九・八で供給過剰とみられる地域がある一方で山間へき地等不足地域も多い状態にある。これは、本県内の都市部と過疎町村等にもみられる実態でもあろう。

次に表1-3にみられるように、近年の医療技術の進歩に伴い患者は設備の整った病院における受診を選択する傾向が強く昭和五十年代に入って、一般診療所の外来患者が減少しているのに対し病院の外来患者は増加し、特に大病院においては患者が集中し長時間待たされることになる 方病院側にとっても一般患者の対応に手が割れ、高度な医療機能を十分果たし得ない状況にある。これは医療施設の機能分担が不明確であること、医療機能のネットワークが欠如していること等に起因しているためといわれており、われわれが、如何なる地域に居ても安心して治療に専念できる体制が望まれるところである。

 

|2都道府県(従業地)別歯科医師数(昭和59年末)  (人口10万人対) (単位:人)

 

表1−2都道府県(従業地)別歯科医師数(昭和59年末)  (人口10万人対) (単位:人)

資料:厚生省大臣官房統計情報部「医師・歯科医師・薬剤師調査」

資料:厚生省大臣官房統計情報部「医師・歯科医師・薬剤師調査」

 

 

 


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