教育福島0116号(1986年(S61)11月)-016page
特集「2」
福島県の文化
はじめに
昭和六十年度から「第三次福島県長期総合教育計画」が実施に移され、この計画の「第一期実施計画」に基づき、伝統を生かした地域性豊かな文化活動の推進≠スローガンに、本年度も
・文化活動の促進
・文化の伝承の充実
・文化施設の整備充実
を三本の柱に、文化行政を推進しています。
以下、本年度県教育委員会が実施している各事業について紹介します。
芸術文化の振興
一、第四十回記念県展
福島県総合美術展(県展一は、昭和二十二年の第一回以来、本年で四十回を迎え、充実した県展となった。
総出品点数は、九百五十四点で、そのうち公募作品は、八百十六点を数え、これらの中から四百九十一点が陳列され、招待、依嘱作品の百三十八点を合わせ六百二十九点が陳列された。
○会 期 昭和六十一年六月十四〜
二十五日
○会 場 福島県文化センター
○陳列点数 日本画五十六点、洋画二
百十一点、彫塑六十四点、
工芸美術六十九点、書二
百二十九点、総計六百二
十九点
○観覧者数 約一万三千人
○審査員 〔日本画〕今井珠泉、大
山忠作、黒沢吉蔵
〔洋画〕五十嵐二朗、梅
宮英亮、田口安男、玉川
信一、深沢軍治
〔彫塑〕伊藤孝、佐藤静
司、西山勇三
〔工芸美術〕田代清治右
工門、角田弘司、永野智
彦、山内清司、渡辺雅旺
〔書〕丹治思郷、増田忍
石、綿引千斎
二、第十回県展移動展
県展移動展は、県展出品作品の中から優秀作品百点を選抜し、県内を巡回展示するもので、本年は二か所において開催した。
これらの開催地では、小・中学生から老人まで、多くの人が作品を鑑賞し、地域文化活動の促進にとって有意義な催しとなった。
○ 開催地及び会期
三島町 七月一日〜四日
鏡石町 七月十日〜十三日
○ 内容 日本画、洋画、彫塑、工芸美
術、書の百点
三、第三十九回福島県文学賞
広く県民から作品を公募して、優秀な作品を顕彰し、もって本県文学の振興を図ることを目的に昭和二十三年から始められた本事業も、第三十九回を迎えた。
本年度の県文学賞は、五月中旬に募集を開始し、七月三十一日に締切り、小説五十点、詩七十五点、短歌三十二点、俳句四十点の計百九十七点の応募があった。
応募作品は、企画委員会において規格審査がなされ、規格外作品五点を除き、百九十二点が審査委員に送付され、個別審査が行われた。さらに、合同審査委員会において受賞候補作品が内定し、県教育委員会で受賞作品が決定した。
本年度の受賞作品及び受賞者は左記のとおりである。なお、受賞作品集である「県文学集No34」は、昭和六十二年三月刊行予定である。
◇ 第三十九回福島県文学賞受賞作品
〔小説の部〕
・文学賞 「跡とり」 橋本 武
・奨励賞 「阿賀の朝風」斉藤 徳寿
・ 同 「漆の臭い」 細谷 清
・ 同 「風塵」 長谷部溌朗