教育福島0117号(1986年(S61)12月)-009page

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て展開されているといえる。

文脈に即して読むとは、文章の中の語句や文を「働きのあるものとして読むこと」すなわち、「関係的に読むこと」である。

 

(3) 文脈に即した語句指導のために

○読めない文字、意味の不明な文字をはっきりつかませる。

○文脈の中で語句の読みや意味を考えさせる。

○文脈の中での語句の役割を考えさせる。

○文脈の中での語句の係り方をとらえさせる。

○文脈の中で重要語句をとらえさせる。

○段落の要点をつかませる。

○文章の構成をとらえさせる。

○指示語や接続語のはたらきをとらえさせる。

 

(4) 児童の読みを大切にするために

○児童の活動の機会を多くとる。(音読、一人調べ、話し合い、書く活動)

〇読みの過程で児童の発見や驚きを大切にする。(共感的理解、比較考察)

〇児童の生活経験や考えを大切にする。(話し合い、発言の取り上げ、実態把握)

〇読解学習の仕方をわからせる。(文脈に即して、重要語句、辞書利用)

○学級における人間関係を整える。(学級づくり、実態把握、好ましい学習ふんい気)

なお、用語の解釈については、次のように共通理解し、実践を通す中で、確認することとした。

1) 文脈

文及び文章における個々の語並びに、文の間に存する論理関係、あるいは、脈絡。

2) 文脈に即する

文脈にぴったりついて、文又は文章のつながりぐあい、論理関係を大切にして、語又は文を関係的に読んでいくこと。

3) 語句指導

新出語句、難語句、重要語句、指示語、接続語の指導文脈の中での「はたらき」を通して理解させるようにする。

4) 中心語句

その文の中心思想となっている語句、その語句がないと、その文の意味がなくなってしまうほど大切な役割を果たしている語句。

5) 重要語句

中心語句を支えている語句、書き手が読み手に伝えようとした中心事項をになって、文章の中に配置された言葉。

他の語句や文との関連を多く持つ語句であり、思考を深め、感動につながる語句としてとらえる。

 

三 研究実践

 

研究の実践にあたっては、興味・関心調査、学力検査、学習達成状況調査などから、児童の学習の傾向や説明的文章の理解状況をとらえるようにした。

また、教師の指導上の悩みや問題点を明らかにして、実践の評価に努めながら研究を進めた。

研究実践の概要は、次のとおりである。

 

(一) 指導目標、指導事項の明確化

 

学習指導要領を検討し、学年の発達段階に即して、次の事柄を系統的におさえ、指導の目標、読みのめあてを明らかにするようにした。

○理解の目標

○指導内容(重点的事項、語句の意味、音読)

○言語事項(語句、文及び文の構成)

 

(二) 説明的文章年間指導計画の改善

 

年間指導計画の改善にあたっての主な配慮点は、次のとおりである。

(1) 説明的文章に限って改善し、今後、国語科全体の内容について整備していくようにした。

(2) 単元の基本過程は、通読、精読、味読の形をとり、精読をさらに二段階に分け、全体として四段階とした。

教材の内容によっては、全文通読が読みの意欲を低下させることも考えられるので、パターンを固定化することのないようにした。

 

語句、関連語句や文の位置づけをし、文脈に即した語句指導への配慮をした。

 

(3) 重要語句、関連語句や文の位置づけをし、文脈に即した語句指導への配慮をした。

 

(三) 授業の実践

 

研究の最大のねらいは、教師自身の指導力を高め、児童一人一人の学習力を育てる授業の体質改善にある。

研究仮説を検証し、研究主題の解明をめざして、授業実践を次のように進めた。

(1)教材の分析

教師自らの確かな教材解釈が児童の確かな読みの力を育成することと受け

 

 

 


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