教育福島0117号(1986年(S61)12月)-032page
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三、反省と今後の課題
「合同朝の会」が児童生徒への教育効果や教師の指導にどのような影響をもたらしているか考えたい。
(一) 児童生徒に対する効果
1) 会の順序や歌・リズム運動などを繰り返し行うことにより、見通しを持って自から進んで行動できるようになり、自主的、主体的行動が身についてきている。
2) 学年や学級などの固定的集団を離れ、多くの友だちと触れ合うことにより、思いやりや助け合いの気持が芽ばえて来ている。
3) 大きな集団に帰属することにより見よう見まねからの思わぬ成長が見られ、集団行動ができるようになつてきている。
(二) 教師の指導に対する効果
1) 多くの子どもと接する機会が増え個性を再発見する場となる。
2) 話し合いや実技研修を通して、教師集団のチームワークがよくなる。
3) 新しい教材・教具の開発、指導技術の向上に役立つ。
以上のような指導効果が認められるが当面している課題として、
1) 児童生徒の障害の多様化・重度化が進んできており、適切な題材を設定することが難かしくなってきている。
2) 生活年齢と発達段階の開きが大きく所期の目的が達成されにくくなっている等があり、今後さらに指導改善に努めていきたい。
養護・訓練の時間におけるぜん息児童生徒の指導
県立須賀川養護学校
一、はじめに
本校に在籍している病弱児は、六十一名であるが、その中で二十六名が気管支ぜん息児で全体の約四割を占めている。本校では、これらぜん息児の健康の回復・改善を図るため、養護・訓練の時間を設定し、病院との連携をとりながら、一人一人の症状に応じて、養護・訓練を実施している。以下、その指導の概要について述べる。
二、養護・訓練のねらいと内容
ぜん息児の治療の一般的な考え方としては、次の三つが考えられる。
1)病院の治療(薬、注射、吸入など)
2)環境調整(アレルゲンの除去など)
3)精神・身体鍛練療法
ぜん息児の中には、一日も早く健康を取り戻したいという切なる願いをもっている反面、身体活動が発作を誘発することへの不安、恐れ等から、運動生活の不足による体力、運動技能の低下などがみられることが多く、心身両面にわたる防衛機構を過度に持っていることが少なくない。そこで、単に生活規制の必要性を理解させるだけでなく、医療機関と十分に連絡をとり合い児童生徒一人一人について治療方針や健康状態を確認し合い、自ら健康回復への意欲をもって、積極的に諸活動による体力づくり等の実践化、生活化を図ることをねらいとした。
(一) 養護・訓練のねらい
1) 健康状態の回復改善のため、体力づくりや集団生活への適応経験を積ませ、病気克服への自信や耐性度を強める。
2) 発作を恐れず積極的に身体鍛練に取り組む意欲、態度を育て、習慣化を図る。
3) 普段の健康に対する自己理解や自己管理の重要性を理解させ、望ましい生活様式の習慣化を図り、自主的実践的態度を育てる。
(二) 精神・身体鍛練の主な内容
1) 皮膚の鍛練(乾布摩擦など)
2) 身体の鍛練(持久走、水泳など)
3) 呼吸の訓練(ぜん息体操など)
これらの内容を自主的に取り組むように、一人一人の健康状態を考慮して身体鍛練のための活動を中心に指導に当たっている。
三、指導の実際
養護・訓練の時間の指導に当たっては、児童生徒の実態に応じて、一人一人のねらいを明確にした上で、指導内容を適切に選択・構成し、併せて指導上の留意事項を的確に押えて指導に当たっている。特に、身体鍛練等、身体活動を伴う内容については、医療機関との緊密な連携のもとに、病状の変化に対応できるよう特に配慮して指導に当たるとともに、意欲の向上及び態度・習慣の形成など心理的側面をおさえてねらいを達成するよう努めている。
(一) 児童生徒の実態
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(S61.10.1現在)
※安静度6度以上(健康児なみの運動可能)の者対象
合計26名
(二)指導計画
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