教育福島0117号(1986年(S61)12月)-045page

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男子教員も指導できるカリキュラム、指導内容を工夫し、学習の計画、準備の時から子どもたちに合科的学習をさせている。そのため全学年にそれぞれに応じたカード、日記等をもたせ実践力を確かめている。その結果、家庭作品出品、親子学習会等にも大きな成果をあげてきている。

 

魅力を感じる授業づくり

郡山市立郡山第二中学校

 

郡山二中では、生き生きと活気あふれる学習活動づくりに努力している。理科では生徒自身が学習課題を選択、解決への道をさぐらせている。評価も自己達成評価をし学ぶ喜びを得ている。国語科においても子ども自身の学習課題とノートづくりを行い、体育の授業では、精細な指導データをもとに練習ノートをもたせ、生徒自身が自分の能力、注意点をチェックさせる等、一人一人が授業に参加することをめざしている。

 

V・Sタイムで明るい環境

二本松市立二本松第一中学校

 

二本松一中の玄関へ続く道は、つつじ、桜、菊等の季節の変化を楽しみながら、修心の池へと続く。これらの環境美化には、生徒たちの自主的、積極的なボランティアサービスタイム(V・Sタイム)の実践が大きく貢献している。この活動は日常化し、部活動終了は体育館清掃をもって終わる等徹底している。また、それは対外行事の時も発揮され、試合会場となった他の学校の体育館の雑布がけ、霞が城早朝清掃等へと発展している。

 

生き方を考えさせる進路指導

会津若松市立第二中学校

 

若松二中では、人生における”マストビー“(…しなければいけないこと)を考えさせる進路指導に重きをおいている。そのため学級指導での資料の収集、更新、活用に意を用い、生徒個人の連絡票を活用している。また、学年ごとの進路コーナーや相談室、毎月の授業参観の実施、生徒自身による進路調査(高校訪問等)等により自分の適性を深く考えさせている。あるいは、自主的相談教室や相談ポストで生徒が自ら先生を指名して相談する機会等をもうけている。

 

指示待ちからやってみるへ

矢祭町立矢祭中学校

 

矢祭中では、これまで生徒会活動の充実を図ってきたが、以前の指示待ち委員会からの脱却をねらい学校祭を行った。これは委員会活動を活発化させ地域からも好評であった。これらの活動の結果、地域や生徒の間から第二グランドをつくろうという声があがり、現在、生徒は自主的にグランドづくりに参加している。また、地域の生徒指導協議会の事務局として、学校間の壁、地域との壁を取り払い、地域全体で、“とにかくやってみよう”という意欲で取り組んでいる。

 

創意工夫した教材づくり

原町市立石神中学校

 

石神中では、個人差に応じた教材、教具による授業(理科一、対話をとり入れた英語教育、実践力を身につけさせる評価(特活)等の生徒の主体的な学習への工夫をしている。周辺の身近な教材の利用は生徒の興味、関心を高め、例えば「力のつりあい」での市販のバネやピアノ線、あるいは自作の模型自動車での実験など工夫した教材による授業で学習にねばり強く取り組むようになった。

 

視野や経験を広げた交歓学習

いわき市立上遠野中学校

 

上遠野中では、東京のアメリカンスクール(ASIJ)とのホームスティを含む交歓学習を行っている。全教員の介添えでグループごとの英語での交歓、体育館での日本の遊びの体験、遠足と芋煮会等で一泊二日の交歓会を楽しく過ごす。十二月には上遠野から東京へ行き、ホームスティでASIJの文化祭に参加してきた。この活動を通して、双方とも生活様式の多様さに触れ、国際理解に大きく役立っている。

 

試行錯誤を恐れぬ教育

県立石川養護学校

 

石川養護では、大きな集団の中で学ぶ機会が少ないことから、合同学習を多く取り入れ、ごっこ遊びや生活単元学習で生活の自立化をめざしている。その際も、子ども一人一人の個性に応じた教育を、教師が課題意識をもち、手足を動かして問題を解決するという失敗を恐れぬ姿勢で展開することを心がけている。

 

バイオテクノロジーに挑む

県立磐城農業高等学校

 

磐城農業では、先端技術を取り入れた授業を行い、生徒の多様化に対応した”わかる授業一を進めている。中でも、コンピュータを利用したバイオテクノロジーの実験実習では、キク、ジャガイモの生長点培養やシクラメンの組織培養、コチョーランの無菌は種等を行い、生徒たちは神秘な生命現象の展開に目をみはり、熱意をもって新しい農業学習に挑んでいる。これは同時に地域や全国各地から関心をもってむかえられ、実験依頼があるなど学校、地域社会、保護者そして教師が一体となった農業教育の推進に効果をあげている。

 

 

 


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