教育福島0118号(1987年(S62)01月)-007page

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心豊かにたくましく

 

県教育委員会教育長

 

佐藤 昌志

 

佐藤 昌志

 

明けましておめでとうございます。

 

皆様には、希望に満ちた新春をお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。

おかげさまで、昨年は、心身に障害をもつ子どもたちが、人としての幸福をより享受し得るよう努める養護教育センターの開所、新しい時代の文化の創造と伝統を生かした地域性豊かな活動の場である県立博物館を開館することができ、有り難く感謝申し上げる次第であります。

 

本県の教育・文化は、このように着実な伸展をみておりますが、今日の科学技術の進歩に伴う社会環境の変化は、国際化、情報化など解決すべき様々な課題を生じさせ、国政のみならず、一地方の在り方にまで大きな影響を与えてきておりますことは、皆様方、ご承知のとおりであります。

また、社会環境の変化の下での私どもの生活は、経済社会の成熟化のすう勢の中にあるといわれております。

成熟化した社会にあって、県民が、生涯にわたって健康で活力ある生活を営むための健康づくりと、 "いつでも どこでも"学習できるための情報提供は、これまで以上に、重要さを増すと考えております。

このような社会環境の変化について、戦後教育の諸問題を集中的に論議している臨教審は、時代認識において、今日の社会は、 「近代工業文明の転換に伴う

諸改革の時代」と捉えているのであります。

「諸改革の時代」にあって、私は、教育が、未来を創造する最も基本的な人間の営みであるということに思いを致し、時代を超え"不易"なものである「豊かな人間性と創造性に満ちた人間」としての資質と同時に、時代と共に変化していく"流行"へ柔軟に対応していく資質を兼ね備えた児童生徒の育成に努めなければならないとの感を深めますとともに、児童生徒が、自然や風土に育まれ、故郷の人々と共に成長し、新しい時代の生き生きとした文化の担い手として、「心豊かな たくましい人間」に成長することは、未来を託する県民すべての願いであると考えるのであります。

本県の教育・文化活動が、県民の期待に応え、所期の目的を達するためには、教職員二万有余名が、心を一に相協力して、職責の遂行に邁進することが、何にも増して大切なことであろうと思うのであります。

今年は、例年になく、厳しい財政状況下にありますが、社会の変化に伴う新しい時代の様々な課題に対処するため、全力を尽くす所存でありますので、皆様方のより一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、新年のあいさつといたします。

 

 

 


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