教育福島0118号(1987年(S62)01月)-008page

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特集 1

 

保健体育・スポ−ツの充実

 

はじめに

 

県民一人一人が、生涯を通じて心身とも健康で活力に満ちた生活を送ることは、極めて重要なことです。

しかしながら科学技術の進歩や経済成長に伴う生活環境や生活様式の変化により、日常生活における身体活動が減少し、県民の健康・体力に様々な問題が生じてきています。

このような状況の中で、近年県民の健康への関心が高まるとともに、体育スポーツの果たす役割と重要性が認識され、日常生活の中でスポーツ活動に親しむ人々が着実に増加しており、スポーツ活動の定着は県民の健康の増進や体力づくりに大きな役割を果たしています。

また昭和七十年に第五十回国民体育大会の本県開催が予定されております。

国体を開催することは、県勢の進展と明るく豊かな郷土づくりを一層推進するとともに県民スポーツの振興を図るまたとない機会です。

県教育委員会といたしましては、体育スポーツを広く生涯教育の観点からとらえ、県民各層に体育・スポーツの場を提供するとともに、多様化している体育・スポーツヘの欲求に対応するため、各市町村はじめ関係機関の御理解・御協力を得ながら諸施策を推進しております。

今後は、「未来をひらく、心豊かなたくましい人間」の育成をめざして、策定いたしました「第三次福島県長期総合教育計画」に基づき、健康で活力ある生活をめざす保健体育・スポーツを推進するために、なお一層きめの細かい施策を推進してまいります。

以下これら振興策の概要について、御紹介いたします。

 

一、学校体育の充実

 

1 児童生徒の体力・運動能力の向上

 

(1) スポーツテストの結果

 

昭和六十年度の本県児童生徒の体力、運動能力を全国平均値と比較すると体力は全般的に全国水準並かそれを上回っているが、踏台昇降運動や立位体前屈が下回っています。運動能力では、ボール投げは全国水準を上回っているが、走・持久走等は下回る傾向にあります。また、体位・体格面では女子の幅量育の伸びが大きく重量型の傾向にあります。総じて、本県の児童生徒は、体格は向上しているが、運動能力がそれに伴っていない現状にあります。したがって、今後は、学校の教育活動全体を通じて発達段階に応じた運動の生活化を図るとともに、計画的・継杭的に体力の向上に努める必要があります。

 

(2)体力つくり推進校等の指定

 

1)体力つくり推進校

県指定の小・中・高校各一校、文部省指定の小学校三校、全体で六校を指定し、児童生徒の体格に応じた体力の向上を図るために、学校の教育活動全体及び地域社会との連携を密にした体力つくりを促進し、併せて環境に応じた体力つくりの具体的な方法を研究実践し、公開発表会等を通して、その成果の普及に努めております。

2)格技指導推進校

文部省指定の中学校三校、高校一校の四校は、格技(柔・剣道)指導を一層拡充し、推進するため、指導の計画や充実対策等について研究実践し、公開発表会等を通して、その成果の普及に努めております。

3)集団・安全行動推進校

県指定の小・中校各一校は、児童生徒の能率的な学習と安全な行動の習慣化を図り、規律ある行動が安全且つ敏速にできるように、教科指導はもちろん学校の教育活動全体を通じて行動様式の工夫及び具体的方法等を研究実践し公開発表会等を通して、その成果の普及に努めております。

 

(3) 小学校運動競技奨励事業

 

市町村単位で実施している小学校の陸上競技会・水泳競技会で好成績を収めた児童に賞状を贈り、児童の体力、運動能力の向上を図っております。

この事業は、昭和五十五年度から実施し、今年度は、陸上八十四市町村(九十三%)、水泳七十二市町村一八十%)で実施され、年々、充実してきて

 

 

 


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