教育福島0120号(1987年(S62)04月)-008page

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特集〔1〕

 

へき地教育の充実

義務教育課

 

四季折々の変化に恵まれ、大きな自然を心のふるさととして暮ちすへき地の子供たちは、人数こそ少ないが、地域社会の人々の限りない期待の中で、日々ひたむきに学習をしています。

しかし、へき地教育を推進するに当たっては、へき地という地域性からくる教育上の問題、小規模、複式編制という条件・形態から生じる問題点が大きな障害となっています。

このような困難な条件をもつ現状から、へき地教育を充実させていくためには、行政側の振興策の充実とともにさらに一層へき地、小規模、複式学校のもつ弱点を克服し、積極的にその特性を生かした学校・学級経営や学習指導を進める工夫をしていくことが大切であり、へき地だからできる、小規模校だからできる教育の創造と実践が強く望まれます。

 

一、本県のへき地学校の実態

 

(1) へき地学校(分校も含む)

○ ここ数年の本県のへき地小学校の変遷を見ると、全小学校に対してほぼ同比率(三十八%)を示しています。

○ 人事委員会指定(5級地〜特地)の小学校は、統廃合、廃止等により、年々減少傾向をたどり、今後も減少し続けるものと想定されます。

また、中学校はほとんど変わらず、同じ傾向が続いています。

〇 六十二年度の本県へき地学校の割合は、小学校で全小学校の約三十八、三%、中学校で二十七、八%を占めています。

 

資料1 へき地小学校(分校も含む)の変遷

(2) 複式学級を編制する学校

 

(2) 複式学級を編制する学校

○ 複式学級を編制する小学校は、年々減少の傾向が見られますが、六十一年度においては、へき地小学校の約四十三、五%を占めています。また、中学校は本県で四校あります。

 

複式学級を編制する学校数の推移

二、県教育委員会のへき地教育に対する振興策

 

二、県教育委員会のへき地教育に対する振興策

県教育委員会においては、本県のへき地学校の実態に鑑み、重点施策「豊かな人間性と創造性をはぐくむ学校教育の推進」の中で次のような振興策をあげています。

「小規模中学校における免許外教科担任の計画的な解消を図るとともに、各種研修会の開催等により、へき地における教育諸条件の整備・充実に努める」

そして、具体的には次の事業等を実施しています。

(1) へき地教育担当教員研修会の開催

初めて小学校の複式学級を担当する教員に対し、複式学級指導計画、学習指導法、教材資料、教育機器活用方法等の研修を行い、指導力の向上を図るものです。

(2) 中学校免許外教科担任教員研修会の実施

中学校免許外の教科を担当する教員を対象として、学習指導に関する研修を行い、指導力の向上と教育活動の充

 

 

 


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