教育福島0120号(1987年(S62)04月)-009page

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実に資するものです。

(3) へき地教育研究指定校の推進

本県へき地学校における学力向上並びにへき地教育に関する問題を研究し、へき地教育の改善と振興に資するため、研究学校を指定し、その成果を各へき地に普及させるものです。 (文部省、六十一・六十二年度指定、塙町立片貝小学校)

(4) 複式学級指導資料の作成及び配付

本県の実態に即した各教科等の年間学習指導例を作成し、複式学級の学習指導の改善・充実に資するものです。

(5) 各種研究会、研修会への派遣、補助等

全国へき地教育研究会、東部地区へき地教育指導者講座に、県内学校で指導に当たっている教師を派遣することや県へき地・小規模学校研究会の補助などを行っています。

(6) 通学用バスの整備・促進

通学条件の緩和を図るため、通学用バスの整備を促進しています。

 

三、へき地教育の課題

 

へき地教育を推進するに当たっては、本県へき地教育の指導の重点(教育福島二・三月号)をよく理解するとともに、特に次の点については、本県へき地教育の課題を受けとめ、積極的に取り組む必要があります。

(1) 教育の今日的課題でもある一人一人の児童生徒に目を向け、基礎的能力と豊かな人間性を身につけ、社会の変化に主体的に対応できる能力を育てること。

(2) へき地・小規模・複式学校の特性を改めて確認し、その教育活動の強化を図ること。

特に、少人数化していく学校、学級経営や学習指導における個別化への配慮、主体的な態度の育成、集団活動を通した自主性等の育成がより厳しく求められます。

(3) 児童生徒の生活する地域の課題を正しく受けとめ、郷土の自然、文化や歴史に根ざした教育を創造すること。

(4) 学校における全教育活動を通じて、言語的、身体的表現力や主体的な態度の育成を図り、児童生徒に見られがちな「消極的で社会性に乏しい」面の解消に努めること。

次に、昭和六十年、六十一年の二年間、県教育委員会よりへき地教育の充実と振興のため指定を受けて研究を進めてきた岩代町立百目木小学校の実践例を紹介します。

 

社会科の指導はどうあるべきか−−観察 資料活用の能力の育成をめざして−−

 

一歩ふみこんで追求し、考えることができる児童を育てる社会科の指導はどうあるべきか−−観察 資料活用の能力の育成をめざして−−

安達郡岩代跡立百目木小学校

 

一、研究のねらいと仮説

 

(1) 研究のねらい

 

本校は、小規模学校の特性を生かしながら、人間性豊かな児童、一人一人が自分に自信をもって行動できる心身ともに健康な児童の育成を目指しているが、これらの目標の具現には、何事にも自ら進んで取り組もうとする主体的な態度が要求される。

また、五十九年度までの社会科の研究実践の成果や課題として、次の点があげられた。

○ 具体的経験を通した学習には興味・関心が高い。

○ ドリル的学習は好むが、よく考えて解決しなければならない学習は不得意な児童が多い。

○ 諸検査から、観察・資料活用力が他の分野より劣る。

○ 積極的に学習課題に取り組もうとする意欲にまだ欠ける。

これらの中での問題点を解決するため、本校では、「一歩ふみこんで追究し、考えることができる児童を育てるために、その指導のあり方を実践を通して明らかにする」ことを研究のねらいとした。

 

(2) 研究の仮説

 

〈研究仮説〉児童が意欲を持って取り組む学習課題を設定し、課題解明の学習の仕方を身につけることができれば、一歩ふみこんで追究し、考えることができる児童を育てることができるであろう。

 

〈低・中・高学年のブロック仮説〉

(低学年)

興味・関心を高める学習課題を提示し、児童の発想を取り入れながら社会的事象を観察させたり、ことばや絵 動作などに表現させたりする場を多くすれば、生き生きとした学習が展開されるであろう。

(中学年)

調べようとする意欲を高めさせながら学習課題を練り上けざせ、地域村会に関する資料から事実を読み取らせる場を多くすれば、主体的な学習が展開されるであろう。

 

 

 


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