教育福島0120号(1987年(S62)04月)-011page
(二) 地域素材の発掘と教材
(1) 地域素材の教材化のねらい
児童が生活している地域には、社会科の教材となり得る素材が多い。しかし、地域にあるすべてのことがらがそのままの姿では教材になり得ない。「社会科の目標を達成するために、教育的価値を有する地域の素材を選び出し、教材として構成すること」を考慮しなければならない。また、学習指導要領に基づく指導に適した内容を持ち、社会科の目標にせまれるように構成することが必要である。児童の生活とかかわりが深い地域から問題を見つけることにより、児童は課題解決への意欲を強くもつ。さらに、調査や資料の収集・活用などを通して、視野を広めることができる地域素材の教材化によって、本校のねらう、一歩ふみこんで追求し、考えることができる児童を育成できると考えられる。
(2) 地域素材の教材化について
1) 授業の構成内容
ア 社会科学習でねらう目標
イ 学習指導要領の学年目標、内容
ウ 年間計画における学年目標と単元の指導
エ 教材の性質や児童の実態
オ 学習内容、児童、教材についての指導観
カ 児童の学習能力と活動の場
資料3 指導への位置づけ
2) 学習内容の精選の観点
ア 地域の社会的事象から課題を見つけ、課題解決を図れるものか。
イ 児童が直接観察することができ、調査活動や資料収集、資料作成などの資料活用能力の育成を図れるものか。
ウ 児童一人一人が持つ生活経験を学習に関連させることにより、問題解決への興味・関心を高めることが図れるものか。
これらのことをふまえて地域素材を教材化することにより、単に教室での学習のみに終わらず、校外の地域事象の中へ児童を連れだすことにより、一歩ふみこんだ学習が楽しく展開できるのではないかと考えられる。
(3) 地域素材として取り上げた「百目木の養蚕」と「羽山りんご」本校の努力目標の一つである「郷土を理解し、ふるさとを大切にする心を育てる」をうけて、「百目木の養蚕」を一〜六年生の共通教材として位置づけ(資料3)、さらに四年生では地域の開発をした先人の苦労を学習する教材として「羽山りんご」を取り上げた。(資料4)
(三) 評価
(1) 観点別達成目標
児童の望ましい成長を願い、研究主題である「一歩ふみこんで追求し、考え