教育福島0120号(1987年(S62)04月)-012page
ることができる児童を育てる」ために、
1) 教師自らが、それぞれの単元を通して「何を理解させ、何に気付かせ、どんな考えを持たせたいか、どんな児童に育てたいか・・・」を学習指導要領から読み取る必要がある。
2) 学習指導要領から読み取った内容を、地域、児童の実態などに即して、各単元の中で生かしていく必要がある。
以上の二点を考え、生かしていく手だての一つとして、各学年ごとに「観点別達成目標」を作成した。
「知識・理解」「観察・資料活用」「社会的思考・判断」「社会的事象に対する関心・態度」の四つの観点にたって評価し、教育目標の具現に努めている。
生き生き活動する子どもたち
資料4 「羽山りんご」の指導計画
(五) 実践例
(単元名 日本の歴史・日本の国の成り立ち・六年)
(1) 指導構想
本単元は、漁猟生活や農耕生活を経ながら「むら」から「くに」へと発展していった様子を取り上げる。「むら」から「くに」へと発展していった過程には、当時の人々の様々な生きるための知恵がある。遺跡やそこからの出土品、文章資料だけではなく、自然に恵まれ、少人数であるという本校の特性を生かし、「堅穴式住居」を実際に作ってみるという活動を通して、当時の人々の生活に入りこませていきたい。具体的な体験をさせることによって、当時の人々の苦労を自分のものとしてとらえさせれば、一歩ふみこんだ姿に近づくと考えた。
(2) 指導計画 (総時数十三時間)
1) 日本のあけぼの−八時間
ア かりや漁のくらし (1)
イ くらしや仕事の変化 (5)
○ ゆるやかな変化 1)
○ 堅穴式住居づくり 2)本時2/2
○ 弥生時代のくらし 1)
○ 登呂のむらと水田 1)
ウ 祭りとくらし (1)
エ むらからくにへ (1)
2) 古墳にほうむられた人々−四時間
地域素材を学習する
ア 古墳と豪族 (3)
イ 大陸文化の伝来 (1)
3) まとめと評価−一時間
(3) 本時のめあて
堅穴式住居づくりを通して、弥生時代の人々が生きていくために米づくりを始め、様々な工夫をしながら生活していたことを想像することができる。
(4) ねらいにせまる手だて
1) 「大昔の人々の生活にもどってみよう」ということで、縄文時代の学習では石器や土器を作らせ、縄文時代の人々の工夫や苦労をとらえさせておいた。「弥生時代の家ってどんな家だろう」という問いかけに、児童はすぐに反応し、「それじゃあ作ってみよう」と喜