教育福島0120号(1987年(S62)04月)-014page

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特集〔2〕

 

勤労体験学習の推進

高等学校教育課

 

勤労にかかわる体験的な学習に関して「学校においては、地域や学校の実態等に応じて、勤労にかかわる体験的な学習の指導を適切に行うようにし、働くことや創造することの喜びを体得させるとともに、望ましい勤労観や職業観の育成に資するものとする」という規定が学習指導要領総則第一款の四に述べられている。

学校教育は、生徒が自己の将来について、どのような職業につき、どのように生きていくかを考えていく態度と能力を培うことを目標の一つにしている。したがって、生徒が自ら物を作ったり、生物を育てるなど、働くことと関連の深い体験的な学習を通して、勤労の楽しさや創造の喜びなどを体得し、望ましい勤労観や職業観を身につけるよう指導することが必要である。

最近、生徒を取り巻く生活環境の変化がこのような体験的な学習を少なくしていることを考慮するとき、学校が勤労や創造等にかかわる体験的な学習の機会を教育課程の中に積極的に位置づけ、生徒に主体的に取り組ませることは、知・徳・体の調和のとれた人間形成のために極めて重要である。

本県における勤労体験学習は、なんらかの形で実施されてはいるが、各学校において、さらに幅広い勤労体験の場を設定することが望まれる。次に紹介するのは、職員、生徒が一体となって取り組んだ結果、大きな成果をあげた

研究の報告である。

 

栽培学習・環境美化・奉仕活動を通しての勤労観の育成

県立新地高等学校

 

はじめに

 

本校は、六十年度文部省より勤労体験学習研究校の指定を受け、前身が農業高校である特色を生かした実践を二か年間すすめてきた。研究に当たっては、生徒の実態をふまえ、勤労観・職業観の育成を目指し、明るく楽しい学校生活を築くために、標記の主題を設定した。

 

一、研究の計画

 

(一) 研究の基本方針

1) 全教職員・生徒一丸となって本研究に取り組む。

2) 栽培学習・環境美化・奉仕活動を三本柱とし、学校の教育活動全体のなかで、計画的・組織的に実践する。

3) 一人一人の生徒が、その役割分担を十分果たせるよう学習内容・活動の場・指導方法を工夫する。

4) 効果的に本研究に取り組むため、学校裁量時間を各学年一時間設定する。

5) 本研究を通して、勤労体験学習と各教科との間に相乗的効果があがるようにする。

6) PTAをはじめ、地域・諸団体との密接な連携を図り、その協力を受ける。

(二) 活動領域と目標

本研究を真に実りあるものにするため、ホームルーム、及び教科との関連を図り、学校の全教育活動のなかでよりよく実践できるよう、活動領域と目標を明確にして、全校あげて、研究に取り組む。(表1)

(三) 研究組織

全教職員、生徒一丸となって研究・実践に取り組む体制として、表2のように組織した。

(四) 学習指導の方法

1) 学習内容・学習形態・年度・担当・活動組織(表3)

2) 学習活動年間計画とねらい

3) 学習指導の方法と活動までの手順(表4)

毎週の勤労体験学習を効果的にすすめるために、生徒の勤労体験委員会で、次週の学習活動計画と目標を確認させて生徒が自主的に取り組めるようにした。更に、本委員会で確認したことを各学級の生徒に徹底させて、生徒間の共通理解を図り学習活動ができるようにした。

4) 学習の展開

 

 

 


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