教育福島0120号(1987年(S62)04月)-018page
からはじめた宮城県山元町にある国立療養所宮城病院の重度身障者施設「あすなろ病棟」への奉仕活動は現在も引き継がれている。
この自主的・自発的な奉仕活動の尊さが全校生徒にも理解されて、生徒間にも身近なことで地域社会に奉仕しようとする態度が見受けられるようになった。そこで、この活動を奉仕活動の中心に位置づけ実践した。
1) ねらい
○生徒の自主的、自発的諸活動を通して、奉仕活動の尊さを全校生徒に理解させ、勤労と、地域社会に奉仕する精神を育成する。
○他人への思いやりの心・いたわる心を養い、豊かな人間性を育成する。
○奉仕活動を通して、地域の人々との触れ合いを深め、地域を愛する心を強める。
2) 方針
○「あすなろ病棟」へ「おむつ」を贈り、病棟内での「おむつ」たたみに協力する。
〇一人ぐらし老人へプレゼントや見舞状を送って励ます。
○交通安全街頭指導に参加し、地域の交通安全運動に協力する。
○共同募金、献血に参加協力する。
3) 指導上の留意点
○生徒の自主的・自発的活動を尊重する。
花壇とコスモス
○各自エチケットを守り、常に責任ある態度で班行動するよう指導する。
○服装は必ず制服を着用させる。
4) 活動状況と成果
○家庭科の運針実習の一環として製作した「おむつ」を贈り、更に、病棟内では、約六千枚の「おむつ」をたたむなどの補助的作業に当った。また、一人ぐらしの老人宅を訪問して、家庭クラブ活動で製作した日用品を贈り、さらに、暑中見舞・年賀状を送った。「あすなろ病棟」活動には父母の会等から感謝状が寄せられている。
○交通安全運動期間中は交通安全街頭指導に参加し、地域の交通安全運動に協力した。また、共同募金や献血にも自主的に参加し協力した。
○各種奉仕活動に積極的に参加した。参加態度は誠実で熱心であり、他人をいたわるという「やさしさ」が育成された。
○自主的に計画を立案し、組織的に実践しようとする意識が育つとともに、奉仕の精神が身についてきた。
○共同募金活動や、献血運動に対する理解と、意識を高めることができた。
○交通安全に対する意識が高まり、交通ルールを守る態度が身についた。
「あすなろ病棟」でのおむつたたみ
5) 課題
○地域社会の現状を理解させ、身近なことで地域社会に奉仕する活動意欲を一層高める。
(四) 啓発的学習(温室における栽培学習)
本校では、栽培学習・環境美化・奉仕活動の三本柱をもとにして、校内及び地域社会の勤労体験の場で、特色ある体験学習を通して、勤労と職業に対する認識を深めてきた。更に、六十一年度は、生徒が自由に取り組める啓発的体験学習の場として、本校の温室を活用した栽培学習を計画し、この実践を通して、生徒の自主的な活動意欲の高揚を図った。
この学習は温室内の九十九平方メートルを各ホームルームと職員と父兄用に区画して、それぞれ特色ある栽培学習活動ができるよう計画して実践した。
1) ねらい
○生徒・職員・父兄が一つの温室内で共同栽培することにより、三者間の理解と親和を深める。
○温室を活用した栽培法を追究しながら研究心の高揚を図る。
○集団生活における連帯感、協調性・自主性を養う。
2) 方針
○各ホームルームの希望をもとに作目を選定させる。
○各ホームルームの計画で自主的に