教育福島0120号(1987年(S62)04月)-045page
1)成人一般に対しては、家庭教育をはじめ成人期の学習課題について学級・講座の開設を促進し、その内容の充実を図ること。
2)婦人に対しては、共働き家庭のための家庭教育講座に関する学習機会の充実を図ること。
3)企業では、職務以外の子育てや家庭教育に関する学習が少いので、家庭教育講座等の開設を促進すること。
等について検討する必要があるとしています。
また、地域の学習施設間の情報交換や学習機会の相互連携の必要なことから、学習情報のネットワーク化を図ることが大切であるとし、小・中・高等学校のもつ教育的機能を関連施設と有機的に連携させる必要があると指摘しています。
そのため、当面、
1)学校施設の有効な活用と利用方法を工夫すること。
2)教職員のすぐれた専門的な知識、技能を地域の自主的学習グループのために活用すること。
3)子どもの教育や家庭生活に関する学習活動の情報を学校側も行政と連携して提供すること。
等について検討することが必要であるとしています。
推進本部では、これらの提言を今後の施策に反映すべく推進本部会、幹事会、担当者会で、その推進方策について検討しています。
今年度も、両部会で三年次の検討テーマを設定し、調査・審議を基に報告書をまとめるとともに、三年間の総まとめの提言を行うことを予定しています。
生涯教育
データバンク・情報提供事業
県民が「いつでも、どこでも、だれでも」学べる学習活動を援助するため、学習情報提供と学習相談事業を実施しています。
◇生涯学習ガイドブック
「指導者編」を発行
県民の学習活動に関する施設や指導者、学習教材、学習団体、学習事業等の情報を収集、整理し生涯学習基礎資料集を年次計画で発行しています。
六十年度の「施設編」に続いて、六十一年度は、「指導者編」を作成し、公民館、図書館等に配布しました。
「指導者編」には、「一般教養」「家庭生活・日常生活」「生活伝承文化」「社会奉仕・地域活動」「スポーツ・健康増進」等の領域別学習活動に関する県内各地の指導者を登載しました。
今年度は、「学習教材編」の作成を計画しております。
◇広報活動と学習相談
県民の生涯学習への啓発広報紙として「生涯学習ふくしま」を年四回発行し、「学習の機会と場」を広く紹介します。
また、テレビ、ラジオのスポット放送を通して啓発のための広報活動を実施するとともに、県民の多様な学習活動の問い合わせや相談に、県教育庁社会教育課、各教育事務所で対応します。
更に、今年度より、県の各課・所・館が実施する生涯教育関連事業予定一覧を年四回作成して関係機関に配布し、関係者にお知らせするとともに、事業の連携・協力の促進を図る糸口とします。
生涯教育広域事業
県民のだれでもが参加できる学習機会の提供として、今年度は、次の四つの生涯学習県民講座を開設します。
◇家庭教育講座
この講座は、今日の地域や家庭をとりまく諸問題を学習課題として取りあげ、地域と家庭の教育力をどうしたら高めることができるか、その方法をめぐって、参加者と講師が共に考えあう学習の機会とします。
表1 家庭教育講座日程
◇大学開放講座
この講座は、大学の施設を県民に開放して、その大学の教職員が講座を担当、大学への体験入学の機会とします。
今年度は、いわき短期大学で九月下旬から開設します。
◇高等学校開放講座
この講座は、県内七教育事務所ごとに、一つの高等学校を地域住民に開放して、その高等学校の教職員が講座を担当、現代の高校への体験入学の機会とします。
今年度は、実業高校でのコンピュータ入門講座の他、普通高校での一般教養講座も開設します。
表2 開放される高等学校
◇専門施設開放講座
この講座は、県の試験場等の専門施設を県民に広く開放して、その施設の専門指導職員等が講座を担当、やゝ専門的な学習の機会とします。
今年度は、福島市平野にある県果樹試験場で、「趣味のくだもの栽培」の講座を六月から開設します。