教育福島0121号(1987年(S62)06月)-007page

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感得して授業に臨む。こうした条件がきちんと整えば授業は生き生きとした活気に充ちたものとなり、ひいては学校の教育活動全体が生きてくるのである。「教育は人なり」といわれるが、教育は教師と生徒とのこのような人格的なかかわりの中で成立するものである。教師が如何に指導技術に優れていても、教える者と教えられる者との間に埣啄の機がなければ真の教育は成立しない。生徒が何を求め、悩んでいるのかを教師は絶えず問いかけながら、その機を逸することなく指導にあたらなければならない。埣啄の機を求めて努力する姿こそ真の教師の姿と思うのである。

 

高校中退の要因をさぐってみると、学校生活、学業不適応によるものが全体の四〇%を占め最大の要因となっている。授業についてゆけない生徒がかなりいるということではないだろうか。この際、高校教育に携わる者は、それぞれの学校の教育活動自体を根底から問い直してみる必要があるのではないか。教育課程は生徒の要求、実態に即応したものになっているかといった問いを始めとして、授業の指導過程や学習評価の在り方など見直されるべき問題は多いと思うのである。ここに授業改造のための再点検という古くて新しい問題を改めて提起したいのである。生徒は教師の背を見て育つという。生徒の向上を願って自ら学んで止まないといった教師の姿勢こそ師弟一如の要諦と思うのである。

生徒たちと楽しく語り合う樫村校長(磐城高校長室にて)

生徒たちと楽しく語り合う樫村校長(磐城高校長室にて)

 

提 言

 

 

 


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