教育福島0121号(1987年(S62)06月)-008page

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特集〔1〕

生徒指導の充実

 

小・中学校

はじめに

 

昭和六十一年に県内で補導された少年は、二万六千三百二十三人で、前年に比べ五パーセント減少したが、依然として戦後第三のピーク期を形成している。(資料1)

本県における少年非行の特徴としては、刑法犯少年が四千七百二十七人で前年に比べ六・五。パーセント減少しているが、まだ高率で推移し、その八十三・五パーセントを小・中・高校生で占め、特に中学生が非行の中心をなしている。また、万引きや乗物盗などの初発型非行が、刑法犯少年全体の六十四・六。パーセントを占め、暴力、傷害、恐喝などの暴力非行も増加し、内容は一層悪質、粗暴化の傾向にある。(資料2・3)

校内暴力は中学校を中心に二十一件発生し、内容的には教師に対する暴力が減少した反面、集団による暴行等が多発するなど悪質化の傾向にあり、補導人数も大幅に増加している。

 

このような少年非行に対する適切な対応は、学校生活を正常化させ、すべての児童・生徒に充実した生活をさせるために不可欠の重要な教育活動であるが、本来の生徒指導の意義は、このような非行対策というような消極的な面にだけあるのではない。

学校における生徒指導は、学校がその教育目標を達成するための重要な機能であり、それは、すべての児童生徒の人格のより良き発達を助長し、学校生活が生徒にとって意義深く、より充実したものとなることを目指して行われるものである。従って、このねらいを追求し積極的に生徒指導を推進していけば、そのまま児童生徒の非行防止につながるものと考えられる。

 

以下、積極的な生徒指導の内容として、重視すべき点について述べる。

 

一、基本的な生活習慣の形成を図る生徒指導

 

最近、社会の急激な発達による核家族化、少子化の進行、生活様式、親の養育態度の変化などの要因により、家庭の教育機能が著しく低下してきている。そのために、家庭でのしつけが十

〔資料1〕昭和61年の少年非行

福島県警察調べ(以下同じ)

福島県警察調べ(以下同じ)

(注)▲は減少

 

〔資料2〕昭和61年刑法犯少年の学職別構成

〔資料3〕昭和61年刑法犯少年の初発型非行

 

〔資料3〕昭和61年刑法犯少年の初発型非行

 

 

 

 


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